第7話
帰宅して、2人はジュラとマリアにモルダン高原でのことを話した。
ジュラ「さすが、俺の子だな!アハハハ」
マリア「本当にすごいわ!」
2人とも上機嫌だった。ちなみにモルダン高原討伐報酬は金貨2枚(20万円)だったので、1日でサラリーマンの給料くらい稼いだ事になる。ハジメは少しゾッとした。
翌日
女「さすがローグ様!素敵だわ!」
男「天災級をしかも2体も倒すなんてありえねーよ!」
魔法学校ではハジメ達がモルダン高原の討伐依頼を1日で終えたこと、そして天災級を倒した話で持ちきりだった。ハジメ達が登校するとすぐにローグの周りに人だかりができた。
ローグは対応で忙しそうなのでハジメは先に自分の教室に行くことにした。すると前からAクラスのバッジをした男子生徒3人がハジメの方に近づいてきた。
男「おい!」
ハジメ「なに?」
男「調子に乗るなよ?お前が天災級1体倒したなんて噂があるが、そんなことは嘘だってみんなわかってるんだからな!」
「チッ」
男子生徒3人は舌打ちして去っていった。天災級の魔物を倒したのは事実なのだが、ハジメはここで反論するとめんどくさくなるとわかっていたので、あえて黙っていた。
一方、先生方もこの話で持ちきりだった。
「ローグはSクラスの討伐依頼ではなくて、もっと特別な依頼でもいいんじゃないでしょうか?」
「Cクラスの子が天災級を倒したのは本当なんでしょうか?」
現場にいたモネがいないので、確かなことは分からず後日モネが来次第、職員会議を開くことになった。
職員会議の日、モネは自分が見たことを全てを全教師に話した。
「Cクラスの子が........信じられん....」
「天災級を討伐した子はSクラスにした方がいいのでは?」
校長「うーん。今Sクラスにすれば生徒の反感をかうかもしれない。生徒の中にはよく思わない子もいるだろうし。とりあえずこの件は王国に報告しようと思う。」
最後は校長がまとめて職員会議は終わった。
相変わらずローグの人気はすごいが、ハジメも注目を浴びていた。ローグと唯一パーティが組める存在として周囲の人から妬まれていた。周囲の視線が痛い中ハジメは普段通りに生活していた。
翌日、校長からの呼び出しがあり、何かと思ったらハジメとローグの2人はすぐに王国に行くように言われた。校長自ら引率してくれるみたいだ。
王国には馬車で向かった。「くれぐれも粗相のないように」校長に言われハジメは少し緊張していた。
王国に行くのは初めてのことで況してや学生が国王に直接会えるなんてことはそうそう無いことであった。ハジメが緊張していることとは裏腹にローグは全く普段通りだった。ローグは何度か国王に会ったことがあるらしい。まぁ父親が元魔法騎士団長で母親が回復魔術師なので会ったことがあるのも不思議ではない。
校長も国王に会ったことがあるらしく緊張してるのはハジメだけだった。
王宮につき1人の王国兵士に国王のもとへ案内された。
「やぁ、よく来たね。」
その声の主は国王だった。ハジメは「あれが国王?」と思った。想像してたより全然若くて優しそうな人だったからだ。
すぐにローグ達と同じ片膝を立て頭を下げた姿勢をとった。
国王「ローグ。ジュラとマリアは元気にしてるかい?」
ローグ「はい。2人ともうるさいくらい元気です。」
そんなたわいも無い話をしているうちにハジメの緊張が少し和らいだ。すると校長が
校長「国王様、本日お呼びになられた理由を教えてください。」
国王「うん。モルダン高原の討伐の話を聞いて2人と少し話しがしたかったっていうのもあるが1番の目的は、君達2人に魔法学校対抗のバトル大会に東の魔法学校代表として出てもらいたい。」
毎年に1回行われる魔法学校対抗のバトル大会。各4つの学校がしのぎを削るその大会は各国が注目するところである。代表選手が4人1組のパーティが5組まで参加できるとされ、毎年20組のパーティが学校の看板を背負って優勝目指している。
ハジメ達、東の魔法学校は未だに優勝ができていなかった。昨年度優勝は北の魔法学校、準優勝は東の魔法学校。その前の大会は、南の魔法学校が優勝。準優勝は東の魔法学校。その前の年もその前も準優勝が東の魔法学校だ。
東の魔法学校は万年準優勝止まりなのである。東だけが優勝を果たしていない。他の北、南、西の魔法学校は優勝しているのにだ。その理由は東だけ優勝させないように他の学校が裏で手を組んでいるからだった。
東の国はなんとしても優勝を果たしたい。そんな思いを抱いてることをローグは知っていたので国王の申し出に快く了承した。
ローグ「ただ、ひとつ頼みがあります」
国王「なんだ?申してみよ。」
ローグの頼みとは東の魔法学校からはローグと、ハジメの2人だけのパーティで出場させて欲しいという内容だった。
前代未聞の申し出だったが、国王はそれを了承した。隠して度肝を抜かれるバトル大会が始まろうとしていた。
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