第32話セツラの見せたいものですか?

セツラと王国から離れた草原に来た。


「それで、ここに来た理由を教えてくれる?」


「はい。ここに自動的に人払いの結界がはられますが、多分私の主なので大丈夫だと思いますが、ここにいるっていう意思は持っててください。」


「う、うん分かった。」



「それでは呼びますね。」


そういうとセツラが人型からドラゴンになり、いつもの咆哮とは違う何かに語りかけるような咆哮をした。

すると、なにか大きな気配が近づいてくるのが分かった。

その気配は自分の近くに来たのに、姿が見えなかった。


「セツラ、この凄くでっかい気配の正体が見えないんだけど。」


(いま、不可視化をかけてるので解きますね。)

と召喚獣と術士の間だけで行われる念話で伝えてきた。


不可視化がとけ見えてきたのは『島 』だった簡単にいえば、浮遊島だ。


「これは私が所持しているドラグノフという浮遊島です。島ですが、一応ドラグノフもドラゴンです。多分、この世に2匹しかいません。ついでに、このドラグノフはメスです。私がベル様を逆召喚をした時もここに来ていたのですよ。」


「な、なんで、セツラが持ってるの?」


「?、あぁ、そうですね。言っていませんでしたね。私、これでも龍王なんですよ。龍王はだいだいドラグノフを根城としてるので私が所持しているのと一緒なんですよ。そして、ドラグノフは別名で『龍の城』と呼ばれているんですよ。それに、龍と呼ばれているのが今、私を入れて2匹です。」


そういい、さらに続けた。


「私は龍王といい、龍の頂点にたつ龍です。もう1つは他の知識ある龍に強さで認めさせた龍、私よりは弱いのですが、傲慢で怠惰で女好き。私が大っ嫌いな相手です。」


(セツラがこんなに顔を歪めるの初めて見たなぁ)と思いながら、なだめた。


「まぁ、その事は置いておきます。それで、ベル様は私の主様なので、このドラグノフの主でもあります。」


「え?なんで?」


「この城に住んでいる者が仕える人がいるなら、その仕えている者の物は、その主の物となる。これは、この世界の常識です。」


だそうだ、多分奴隷制度と同じなのだと思う。


「分かったけど、なんでこれを今見せたの?」


「ベル様はこれから冒険者として生きていきます。その度野宿をしなくてもいいように、このドラグノフに泊まればいいかなと思いまして。」


「毎回呼ぶの?結構大変だよ?」


「それは大丈夫です。私が主と認めているので私と同じようにドラグノフへは転移が出来ると思います。」


(そうか、なんかできそうだなぁ。やってみるか。)


「ただ、転移よ「転移」いするので…」


少し呆れた顔になりながらセツラも一瞬にして消えるのだった。

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