第29話冒険者体験ですか?(5)
クエストを終え、帰りの馬車の集合地点でテントを張ることにした。
今回もシチューを作ったが、お肉はグランドボアの肩肉だった。このグランドボアはランクAですくい上げる攻撃が強力だが、そのかわり肩肉が美味しくなる性質をもつ。
「ガハハハハ!こんなうまい飯を旅中に食うとは思わなんだわい!」
オスカーはとても楽しそうだった。
次の日の早朝にセツラを起こし先に帰ってもらった。勇者軍団に合わせるのが面倒だったからだ。
馬車が出るのは昼過ぎなので、それまで周囲の探索と武器や装備の手入れをして終わった。
「お!ベルよ勇者組が帰ってきたぞ。」
「あら?もう帰ってきてますの?失敗して無理だと思ってここで待機してたんですの?クスクス」
「ん?何を言ってるんだ?娘っ子よ。お主達より早く終わらせて待っておったんだぞ?」
とオスカーが言ってしまった。
「そうみたいですね。失敗したにしては綺麗な服をしています。逃げてきたにきても明るい顔をしていますし。」
「勇者様より早く終わりなんて、インチキを働いたに過ぎないですわ!さぁ!白状しなさい!」
とか言ってきたので無視をすることにした。
そのすぐ後、全員馬車に乗り、帰ることにした。
帰っている最中も勇者の取り巻きが騒いでいたが、全部無視をした。
勇者の取り巻きは3人で、
「〜ですわ!」口調の伯爵の娘で、攻撃魔法が得意らしい。
無口な女は勇者にベッタリで接近戦が得意らしい。これまた伯爵だ。
喋りたがり屋で、回復と支援が得意な、またまた伯爵位だ。こいつが僕が勇者を侮辱したという噂を喋って歩いたみたいだ。
そして、勇者がオールラウンダーだ。
バランスの取れたパーティーだと思う。
だが、そのオールラウンダーな『勇者 』が足を引っ張っている。
勇者は自分で考えない。
↓
周りが教える。
↓
周りの知識にたより、周りと同等の力を勇者がもつ。
↓
教えることにより、周りの練習や勉強の時間が減る。
↓
勇者のせいで周りが育たない。
↓
勇者が足を引っ張る。
という事だ。
だから、僕は自分で調べずになんでもかんでも聞いてくるやつが嫌いだ。
そんなことを考えているうちにギルドにつき、報告を済ませた。
「ガハハハハ!この3日間楽しかったぞ、坊主!今3年生なんだろ?学園楽しめよ!ガハハハハ!」
と言いながらオスカーは帰って行った。
ギルド長はというと…
「あなた達はバランスのいいパーティーなのですが、それが仇になりやすいです。1人か崩れると総崩れを起こす可能性があります。特にオールラウンダーは気をつけなければいけませんよ。器用貧乏になりやすいですから。この3日間では、全体的に経験が足りないのにワイバーンの討伐に行ったのがミスです。ベル君と張り合ったのかは知らないですが、私が助けなければ確実に死んでしまう人がいました。なので…」
と凄い勢いで、ミスを指摘しアドバイスを与えていた。本当に量が多い。
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