第24話 嫌いなことですか?

「ベル、風魔法ってどうやって出すんだい?」


「ベル、火魔法のことを起きえてくれ。」


「ベル、水魔法は…」


「ベル、光魔…」


「ベル、や…」


「べ…」


ベルの中身…レイラは自分で調べ、納得し、調べても分からなかった場合のみ人に聞くと言うことが普通で、このようになんでもかんでも聞いてくる奴は大っ嫌いなのだ。


「ユウキさん。私よりいい解説が本に乗ってますよ。」


と遠回しに自分で調べろと言ってみたが。


「僕は勇者になったんだ。だから、早く魔法などを覚えるために聞いているんだ。」


とか、言って調べると言うことをしない。


(僕はこういう奴が大っ嫌いだ。)



次の日も、その次の日も、そのまた次の日も、ベルに聞き続けた。そして、普段キレないベルがキレた。

ベルが耐えたのはやく10日間、先生に色々教えてやってくれと言われたから教えたが、調べることを一切しなかった。


授業が終わり、近づいてきた勇者が口を開く前にベルが喋り出した。


「勇者くん?君は調べることを知らないのかい?」


「え?」


ユウキは突然雰囲気の変わったベルに戸惑った。何故キレているのか分からなかったからである。


「君に毎日毎日教えてきたよね?それは、先生に教えてやってくれと言われたから教えた。だけど、考えたり調べたりすることを宿題として出してもやらないし、よりによって"魔法の練習をしてた"とかいう言い訳をして宿題をやってこない。そんな言い訳をしている間は僕は君に教えることは何も無いよ。それではまた明日。」

とクラス全員に聞こえるように言い放ち、勇者に背を向けた。


プライドが高い勇者が僕に恥をかかせられ僕のことを恨むような目付きで見ているのを感じながら家に帰った。


次の日から勇者は女子ばかりの取り巻きを増やし、そいつらに聞いていた。

その取り巻きの中には他のクラスの女子がいたように見える。


この勇者は、やはりプライドが高いし、聞くことしか脳がないとベルは改めて確認し、今後絶対に教えないと決めた。


授業が終わり、ミラ先生に呼び出された。


「ユウキくんと何があったの?」


と聞かれ、ありのまま話した。


「勇者はいま取り巻きに教えて貰ってるので、僕は勇者を教える必要がないので教えません。」といった。


「分かったわ。」

ミラ先生はそれだけを言うと家に帰っていいと言った。


次の日、ベルは学校中で軽蔑の目で見られた。

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