第20話ギルドの長ですか?

出てきたのは、緑色の髪をしており、耳が人間より長い人物だった。多分エルフだろう。


「ここでとてつもない殺気を感知したのですが…この状況は?」


目の前に広がっているのは、腰を抜かしたギルドランクCの冒険者とその護衛、と僕達2人が見下ろしている構図。


あれ?これって僕達が悪いように見えるよね?


「少しあなた達に聞きたいことがありますので、少し来て頂いていいでしょうか?」


と僕とセツラに向けて話しかけてきた。

説明するためについて行った。


ギルド受付の隣の階段を登っていくと、ギルド長と書かれた札がかかっている扉をあけ、


「どうぞ、おすわり下さい。」


と丁寧に言ってきたので、有難く座らせてもらった。セツラは立ったままいようとしていたが、説得して座らせた。


「私はギルド長のアラン・フォレスタです。」


「今日登録したばかりの、ベルと言います」


「さっきの状況はだいたい把握しています。」


「あの、僕達は手を出してないのですが…」


「分かっていますよ?どうせ彼女にナンパして注意されて逆上、暴言を吐いて、どちらかが殺気をあびせたって感じですね?」


「そ、そうです。」


「少し前にCに上がって調子に乗っていたので、ちょうどいい薬だったと思います。

ところで、殺気を放ったのはどちらですか?」


「彼女です。」


「ベル様の召喚獣のセツラです。以後お見知り置きを…」


「な!し、召喚獣なのかい!ってことは魔物ってことだが、人型になれるってことは相当強い魔物ってことか?!」


物凄く興奮しているギルド長を宥めながら


「あまり、詮索して欲しくないのですが…」


と伝えた


「あっ、あぁ、すまなかった。冒険者に聞くのは野暮だったね。君は見た感じ学生だね。ってことは魔法適正が高いか、戦闘能力がいいってことだね。」


「まぁ、どちらもそれなりに出来ます。」


「君たちは入ったばかりだけど、Cランクを圧倒できる実力をもっているのが分かった、だから君達のランクをCランクに昇格させたいんですが。構わないかですか??」


「構わないですが、良いんですか?」


「えぇ、これでも僕は人を見る目はあるんですよ。だてにSランクの称号さ貰っていませんよ。」


(この、丁寧で優しそうなエルフがSランク…人は見た目で判断出来ないなぁ)

と改めてベルは思ったのだった。

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