第13話 土星落とし
ここは渋谷のマンションの屋根裏部屋。
ここでゲームには必需品の必殺技、エルメスの魔法について考えよう。
「○○! エル・エル・エルメス!」
基本は好き勝手に呪文を唱えると、○○のことを実行できる。
「魔法少女設定は便利ですね。」
「昔は魔法使いのお姉さん設定だったのにね。エヘッ。」
ケーリーとバーキンはエルメスが魔法使いになる前からの家族である。
「魔法少女の方がウケることに気づいたんでしょうね。」
「どうしても基本設定は16才の女子高生がメインですからね。」
「あんたたち! 何を好き勝手言ってくれてるの?」
そこにエルメスが現れる。
「ゲッ!? エルメス様!?」
急なエルメスの登場に恐怖するケーリーとバーキン。
「私が渋井栞になったのは、カワイイ怪獣ちゃんを側で助けるためじゃない!」
「さすが! エルメス様!」
「魔法があれば、何でもできる! エルメス様! 万歳!」
あっさり手の平を返しエルメス命のケーリーとバーキン。
「でも、そうね。私の魔法は基本、自由自在、自由気ままな詠唱型なので、何でもできる系なので無敵よね。」
「はい。その中で銀河系最強設定のエルメス様らしい、全話の駆除魔法ブラックホールはイケてますね。」
「害虫を駆除する! カッコイイですよ。エルメス様。」
「私はブラックホールらしく、無に帰れ! これが素敵でした。」
「いよ! エルメス様! 日本一! 世界一! 銀河一!」
ケーリーとバーキンはエルメスのご機嫌をとる。
「いや~それほどでも。えへへへっ。」
褒められて上機嫌なエルメス。
「あなたたち、私に隠れてクリスマスパーティーをしていたことが許されたと思ったら大間違いよ。」
エルメスも女なので執念深い。
「ギャアー!? やっぱりバレてた!?」
「お許しください!? エルメス様!?」
恐怖に全身の毛が逆立つケーリーとバーキン。その様は冬用のファーを使った高級バックといった感じであった。
「あなたたち、私の新必殺魔法の練習台になるなら許してあげてもいいわよ?」
「はい! 何でもやります!」
「エルメス様に忠誠を誓います!」
「よろしい。」
物語は毎日の日常のように進んでいく。
「どうせ、エルメス様のことだから、ちょんまげのかつらをかぶさせられるとか、つまらないことだろう。」
「ご飯抜きや簀巻きにされてベランダから吊るされるミノムシごっこよりはマシだろう。」
ケーリーとバーキンは、いつも、このような罰を受けている。
「甘い! クリスマスケーキよりも甘い! 私の新必殺駆除魔法は、超攻撃魔法よ!」
「新必殺駆除魔法!?」
「超攻撃魔法!?」
おふざけの無いエルメスの発言にケーリーとバーキンは、また驚いた。
「行くわよ。この銀河を生み出した宇宙の爆発よ。私のかわいい怪獣ちゃんに近寄る全ての害虫を駆除したまえ! 私は害虫を駆除する! 超必殺魔法! ビックバーン!」
「ギャア!?」
「死ぬ~!?」
エルメスの新必殺魔法は、銀河の誕生の爆発、ビックバーンだった。もちろん食らった相手は強大な爆発で消滅する。
「ちっ、外したか。」
「私たちを殺す気ですか!?」
「ちゃんと外してあげたじゃない。怒らないでよ。」
「もうやだー!?」
さりげなく外す。これがエルメスの優しさである。
「どっちがいい? 無に吸い込まれるブラックホール? それとも、宇宙の誕生の輝きビックバーン?」
「どっちもお断りします!?」
「あ!? 新しい必殺駆除魔法を思いついたわ! 惑星落としなんてどう? 地球に惑星が降り注ぐの! 隕石お年寄りも強力でしょ! 必殺! 土星落としとかカッコよくない?」
アイデアなどは宇宙で輝く無数の星々のようにいくらでも湧いてくるものである。
つづく。
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