第2話 アダイブ・システムの概要。

 ここは過去の渋谷のマンションの屋根裏部屋。

「おえー!? 昔っから誰も使ってないのね!? 埃っぽい!?」

「ワン!?」

「ニャア!?」

 エルメスたちは次元の出口から出てきた。次元の出口は勝手に閉じて消えた。

「ケーリー、バーキン、掃除して。」

「ええー!? どうして私たちが!?」

「エルメス様が魔法を使えば一瞬できれいになりますよ!?」

「これは命令です! いいから掃除しなさい! しないとご飯抜きよ!」

「はい!? すぐに掃除します!」

「エルメス様を怒らせるとうるさいから嫌だ。」

 渋々ではあるが、ケーリーとバーキンは二足歩行で前足にほうきとぞうきんを持って屋根裏部屋の掃除をする。

「できました! きれいな私の全線基地! マイ・スイート・ルーム!」

「はあ・・・疲れた。」

「エルメス様は何もしてないくせに。」

 ケーリーとバーキンは掃除で疲れた。おかげで部屋はきれいになった。

「なんか言った?」

「言ってません!」

「エルメス様! 万歳!」

 こきつかわれても絶対服従の2匹。

「よろしい。ゆっくりご飯を食べてね。大盛りにしておいたから。」

「やったー! 大盛り!」

「エルメス様! 優しい!」

 結局、エルメスたちは仲が良い。

「よし! 自分の部屋もできたことだし、この過去の世界がどうなっているのか調べてみよう! エル・エル・エルメス!」

 エルメスは魔法を使って、この世界の情報を集めることにした。


 この世界の情報。

 ここは国会。内閣総理大臣と大臣の会話。

「国民は税金を納めないし、お金はタンスに隠すし、国の財政がひっ迫しちゃってる。どうしよう?」

「国民全てを管理しちゃえばいいんじゃないですか?」

「それいいね。閣議決定しちゃいましょう。」

 こうしてできたマイナンバーカード。

「マイナンバーカードをスマホアプリにして、スマホ決済ができるようにしましょう。消費税全額キャッシュバックにしましょう。あと国会で居眠りしてると怒られるので、ゲームもできるようにしときましょう。」

「いいね。それ採用。時期総理大臣は君に決めた。」

「ありがとうございます。」

 こうしてスマホアプリ、マイナンバーカードはできた。全ての国民が持っているので、日本政府は税金の取り立てが捗り、日本国の借金はみるみるうちに無くなり黒字国家になった。

「よし! 日本の真似をするぞ!」

 世界各国が成功した日本の真似をして、マイナンバーカードやアプリを作成した。この世界的な広がりから誰かが言った。「アダイブ・システム」生命の誕生アダムとイブから名付けられた。

「アダイブ・システム最高!」

 国連も新語として認めている。表向きは、各国政府、若しくは国連主導で、貧困や難民、戦争を無くすために、幸せのために全人類を管理するためにアダイブ・システムは認められ導入された。しかし導入する国、反発する人々もいる。テロやデモも起こっている。

 スケール・ビック、シンク・ビックである。


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る