Wave2 Sudden Assault

――

『おい! 誰か倒れてるぞ!』

『こっちもだ!』

『01が居ない!?』

『02もだぞ!』

『あのKが消えてる……』

――


「うわっはー、パニックなってるねえ」

『向こうからしたらいきなり消えたんですからね』

 オペレーターが傍受した無線を聞きつつ、施設へ飛ぶ。あと2、3分で到着予定だ。速いこと速いこと。

「オペレーターよぉ、今回はマジでサポートしてくれ」

『当然。バイザーの調子はどうです?』

「良好さ。はっきり見えるぜ」

 オペレーターに敵、破壊対象情報をバイザーに送ってもらい、確実にロックオンして破壊する。それが今回だ。

 お、そろそろ着くか。


「じゃあ、まずはご挨拶っと」

 炎の雨をプレゼントだぜ!

――ドォォォン!

 施設正面ゲート一帯、爆散! あ、いけね、纏めて撃ったから雨になってねえや。相手がデカブツ出してくる前にブッ飛ばせるだけブッ飛ばす。

 ガンガン撃ってバンバン壊そう。ロケットの爆発音とガトリングの音がいい感じだ。

 おーどんどん瓦礫の山が出来てらぁ。


――ズドッ!

「うぉっ! 対空機銃か、痛ってえな。てか撃ち込み過ぎだろ! クソッタレ!」

 安モンの銃で私を落とそうなんざ甘いんだよ!


「弾幕のつもりか? 弾幕ってのはこういう奴だ!」

――キュィィィィィィン! ガアアァァァァァァァァアア!

「音切れてたら弾幕じゃあねえ! 薙ぎ払ってやらあ!」

 6門から放たれる絶え間ない鉄の暴風。鞭の様にしなる軌跡。

 夜だから光が映えるねえ! マズルフラッシュもいい感じだぁ!


「オラオラオラオラオラ! どうした! 反撃してこいよ! それともこんなモンか?」

 火竜の口、邪悪な鉄嵐、ABFの左右に携える二つの怪物は瞬く間に施設外部、建造物、車両をスクラップにしていく。

 対空機銃も対空ミサイルも何もかも、地上からの攻撃は私に届かない。いや、届いていてもダメージにならない。


「ライトアップ、ライトアップぅ。……? あの建物壊れてねぇ。あんだけ撃ったんだぞ?」

 ここら一帯にブッコミまくって大分と瓦礫だらけにしたが妙な建物が残ってる。

『あの一回り巨大な建造物が本体です。かなり頑丈ですね』

「うーん……」

『! 正面、背後に多数のヘリ接近! 重武装ヘリです!』

「おお! あの建物は後回し、ヘリぶっ潰すぜ」

 ようやくマシなのが来たか。


『ABF武装、残弾20%以下。使いすぎじゃないですか?』

「構わん。弾切れたらパージしてヘリの武装奪うから」

『それもそうでしたか』

「どうせ中入る時はABFもQMABもパージするし使い切りでいいのさ」


 チマチマ使ってたら面白くねぇんだ。派手にパーっとやらなきゃ意味ない。銃火器とビールはどっか似てんだよな。


『ヘリから多数のミサイル発射確認!』

「ほーミサイルいいじゃん」

 ミサイルが風を切りながら飛んでくる。そうそう、これくらいじゃなきゃな。


――バカァン! ドゴォン! ズドォン! 

「はッはァ! 拳銃でミサイル墜とすのは快感だな!」

 60口径貫通炸裂弾頭マグナム弾デベロッパー・スペシャル弾ブチ込んでミサイル迎撃。リコイルも音もやっべえコレ。普通の拳銃弾じゃあミサイルは墜とすのは困難極まるがこの弾ならちょっと撃ち込む場所を工夫すれば簡単。この弾頭は対象物に着弾後、段階的に炸裂しながら貫通する。

 飛び交うミサイルを撃ち墜とし、よってきたミサイルを引っ掴んで投げ返したり、並んだミサイルを踏み台にしたりとまぁまぁ楽しいぜ。

 お返ししなきゃなぁ!


「はははは! 今度はこっちだ!」

 ABF右腕左腕を広げ、回転しつつ薙ぎ払う。使い切っちまえ。


――

『なんて無茶苦茶な!』

『これでは近寄れない!』

『落ち着け! 弾切れを狙うんだ!』

――


 おうおう、無線で色々言ってる。残ってんのは5、6機か。

「おほー、狙い通り」

『わざと弾切れするつもりだったんですね』

「おう、フリでもいいんだがリアルな方がいいだろ?」

『それにしたって間抜けですよねー盗聴に気づかないなんて』

「言ってやるなよ。お前の盗聴に誰が気づけるんだ」

『ふふふ。ABF残弾1%、パージします』

 さあ、来い! スキは作ったぞ!


――

『今だ! かかれえええ!』

『接近して銃撃します!』

『ミサイル残弾0! 当機も接近します!』

『化物めえええ!』

――


 高速で接近してくるヘリ。適当に一機選んで操縦席辺りに飛びかかる。

 待ってましたぁ!


――ガシャァァァァァン!


 防弾窓を素手で叩き割る。

 操縦手に笑顔で言う。


「いいよぉ! その判断! よーく出来ましたぁ!」

「な、な、な!」

「弾切れは罠。じゃあね、さよならー」

――ドンッ! ドンッ! ドンッ!


「はい、プレゼントの鉛玉。レア物だよ? あの世に持ってってー」

――ドンッ! ドンッ! ドンッ!

 

 奴らにゃ勿体無いプレゼントだぜ。




 さてと、残りも片付けますか。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る