第4話 奴隷、売ります。前編
エルフ少女達が入っている檻を載せた馬車はスズナに引かせ、悠々と街へ歩を進める。
感覚的にどの方向に何が存在するかわかるのはとても便利だ。自分が作った世界なのだからわからないとおかしいはずだが。
スズナは本当に無口で何を考えているのかわからない。いや、作ったの俺だけどさ。実際スズネは何も考えていない。命令を忠実にこなす云わば機械だ。見た目肉体ともにエルフだが、中身は機械という謎のギャップを持った存在が今のスズネだ。
ゆっさゆっさと揺れている胸につい目が行ってしまう。同時に肩が凝りそうだなと思った。重く、柔らかなその禁断の二つの果実は大半の男の夢と無限大の可能性を秘めているだろう…何考えてんだ?俺。
純粋とは遥かにかけ離れた目でスズナの体を舐めまわすように見ているとマキスの街が見えてくる。
商人として門を通るつもりなので今の姿だと少し無理があるので元の男の姿に戻っておく。
門の前に着くと門番が馬車を止めるよう言ってくる。馬車を引いているのがエルフだとわかるとこちらに嫌悪の視線を送ってくるが、すぐに荷物の検査に取り掛かる。
檻の中を見た兵士は「やっぱりか…」と呟いた。
「街で奴隷を売るのですか?」
「見れば分かるだろう、このメスどもは美しい。貴族の方々や冒険者の皆様に買っていただこうと思ったのですよ」
そう返すと門番の目は一層鋭くなった。
まぁ、奴隷商人ってだけで普通は良い気はしないだろう。
人を売っているのだから当然の反応だ。それにしても目に憎悪たるものを感じるが、この人は奴隷商に親を殺されたのだろうか。当然の反応といえど行き過ぎている気もする。
正直どうでもいいことなので気にしないことにする。利蒼君なら「どうしたの?おにいさん目が怖いよ?」と聞きそうだが、俺はそんな聖人ではないのだすまないな兵士A君。
「ところで、街に入ってもいいかな?」
「…はい。どうぞお通りください」
「うむ。ご苦労」
街に入ることに成功した俺は市場へ向かう。市場では様々なものを売っており、そこで奴隷も普通に売られていた。
奴隷の価値について説明を入れておこう。
まず、労働や家事といった仕事が主な一般奴隷は男性が白金貨約1枚ほどで女性は金貨9枚と銀貨5枚といった感じだ。どの年齢においても金額は同程度である。
需要は男性の方が高い。世界は男性による労働力を必要としている。
逆に性奴隷の場合は逆で女性の方が需要は高い。娼館に行くより自由度が高く、下手したら殺人罪に問われる高度なプレイをしても裁かれないのだ。こんなにも素晴らしいことは他にないだろう。
女性は白金貨2枚から白金貨100枚までの価値がある。若い方が売れやすい。エルフは多少年を取っていても見た目が変わらないので結構扱いがラクである。
男性は金貨5枚から8枚までである。
奴隷の価値について確認した俺は場所を決めて奴隷を売る準備を始めたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます