第2話
「一体何が起きたというのですか」
私は焦る気持ちを抑えるようにして、あたりを観察する。コンクリートはどうやら、近くにある建物の屋上。ちょうど過度にあたる部分のようで、それが何かの衝撃で破壊されたようである。
また、コンクリートの残骸は爆ぜてからそこまで時間が経っていないようで、粘土質のセメントの
匂いを嗅ぐが、血の匂いはしない。つまりは、まだ死んではないないということ。私の大切な家族は生きているそれだけは確証が持てた。
「姉さん……今どこに」
そんな気負いそうな言葉が漏れた。
私の目が地面を見つめた。そしてある一点でかっと見開いた。そこに落ちていたのは、イエローの銃弾だった。
私は笑っていた。口から笑みがこぼれるのと同時に、ホッとした気持ちに再度なった。そして天を仰いでこう言った。
「全く大した後輩ですね」
と……
◇◇◇
コンクリートの破片が落ちてきた。
(あれを破裂させて、衝撃を吸収する!)
しかしそう簡単にはいかない。原始やつ離れした、ファンタジックな考えだった。45口径ならまだ現実味があるのかと思う。
予想通り私の弾丸は、ただ当たっただけで、何の変化も見せなかった。その時だった。
「お願い、火星!」
そんな声が聞こえた。かすれ声であまり聞こえなかったが、私の耳にはそう届いた。そしてその声は聞いたことがあった。それと同時に、黄色い45口径の弾丸が宙を飛ぶ。
色は少し赤を帯びたイエロー。それはしっかりとした軌道を描きまるで計算されたかのような優雅な動きだった。まるで、彗星のようである。
けど、ただそれだけじゃなかった。
その赤を帯びたイエローの弾丸は、狙いの大きなコンクリートに刺さるようにして食い込むと、奇妙な光景を私に見せた。
赤く発光し始めたのだ。そして、それは爆発した。
爆裂と言ってもいい。そのコンクリートもろとも爆裂し、周囲一帯を塵に包んだ。
その隙を逃さず、私は好機と思いカウボーイの攻撃可能範囲からりだつした。離脱していた。次弾は撃たれない。それを知ってホッとした後、500メートルほどだろうかそこで私は一人の少女と出会った。
その少女の姿は私たちと同じローブかな、黄色のラインがある。ホルスターに収まった二丁拳銃も同じ黄色だった。私はその子を知っていた。なぜなら、
「ありがとう、
そう言っていたからだ。
◇◇◇
「今日も星がきれーい!」
わたしは天体望遠鏡のレンズ越しにそう言った。
わたしは、
そんなわたしだけど、ちょっと変わったところがある。それは……
「えっ、何!」
突然机の上のイエローの二つの銃が揺れた。わたしはそれを見て、すぐに準備すると、銃を腰のホルスターにしまいすぐに家を飛び出した。
(揺れたってことは、「闇」が現れたってことだよね?教えて!)
「
そう叫ぶ。そうわたしは普通の人とは違う。この町を、大好きな人達を、あの美しい星々を守るために戦うヒーローなんだ!
わたしの銃は二つで一つの二丁拳銃。
黒と白の整形色に、イエローのラインが描かれている。とっても気に入っている。
わたしの銃は他とは違う。なぜなら、
「
わたしは地面を蹴った。それと同時に、空中に足を出し、その上を駆ける。まるで魔法使いみたいに。「水星」の力は、「空中に見えない足場を一つだけ作る」力。わたしはこの力を使って、最短で向かうのだった。
わたしが「闇」を見つけたのは、それからしばらくしてからだった。ちょうどビルの屋上だった。突然被弾した見えない弾丸。いや、限りなく「透過」に近いものだった。
「あれって……日菜先輩?」
わたしがふと、ビルの屋上から銃弾の当たったところを見ると、下には一人戦う少女がいた。ショートカットで、整った顔の少女だ。彼女のことは知っている。だって、わたしの先輩だから。
でも、先輩はこんなところで負けるはずがなかった。なぜなら、笑っていた体。まるで、この危機的状況を楽しんでいるみたいに。でも、そんなマゾヒストなことをする人じゃないことも知ってる。きっと何か考えがある……そう思った矢先に、真後ろから2発の弾丸が飛んできた。それが命中する。
「えっ!何がどうなってるの?」
わたしはさっぱりわからなかった。でも、きっと見えない糸で繋がった何かだと思った。そして、事態は一変した。さっきちょうどボロボロになったコンクリートが崩れたのだ。
(もしかして、わたしのせい?)
そう思うのと同時に、3発の弾丸が宙をかけた。それは全て、たった一つのコンクリート片に突き刺さる。しかし、威力が圧倒的に足りていない。
わたしは銃弾を変えた。
「惑星変更。火星!」
そう言って引き金を引いた。逆さまに落ちる景色には、赤を帯びたイエローの弾丸が宙をかけ、そしてコンクリート片に当たると爆裂した。
この火星は「弾丸が触れたものを時間差で、爆発。そして、爆風を起こす。いわば、爆裂弾」という特性をを持つ。
それからわたしは、意識化がまだはっきりしていない先輩をボロボロになった体で路地裏まで入った。そこで、先輩は目覚めると、わたしに「ありがとう、
(こんな状況でも、楽観的な人だなー)
と思うのと同時に、わたしはいつも通りで安心した。だからわたしは笑顔でこう言う。
「こちらこそ遅くなりました。日菜先輩!」
と。
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