「何が燃えてるんだ?」マイケルが訊く。
「〈長老〉だ。液体燃料をかけられた。助からない」
「なんてこと……」ドロシーの顔がひきつる。「ボブがやったのね」
デレクは苦い顔で頷いた。
発作を起こした
マキルがやって来た。緊急時でも代表制だ。いや、彼以外は暴力の現場を避けたのだろう。
「すまない。何と言ったらいいか……」マイケルが詫びる。「ボブがやったことだ。とりあえず監禁するつもりだ。そちらが納得できるよう話し合わねばならんが」
マキルは動揺したようすもなく応えた。「わたしたちは死を悲しまない。生と死は〈相〉の変化でしかありません。死者は〈収穫〉され、殻は廃棄され、精神界と物質界をそれぞれが循環するだけのことです」
空へ昇る黒煙はしだいに薄くなっていった。〈長老〉が燃え尽きる。
ドロシーは額に手を当てる。不協和音を感じる。それがドロシーを不穏にさせる。
辺りを見廻していたデレクは、倒れている
「どうかした?」
ドロシーが彼の視線を追うと、その
「武器庫の
ネックレスのトップだけが消えていた。
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