第2話
ここはガイド王国。ユウトは今王都の城下町にいる。そして目の前には冒険者ギルドがある。
「これがギルドかぁ。」
突然現れた俺に周りの人は皆驚いているがそんな事は無視だ。俺は早速ギルドの中に入った。
中は想像通りで、昼間から酒を飲んでいる人が何人かいる。ちょっとわくわくしてきた。
俺は冒険者登録する為に受付の前まで行った。
「あの、冒険者になりたいんですが。」
「冒険者登録希望の方ですね。でしたらこの紙に名前を記入してください。」
俺は出された紙に“ユウト”って書いた。
「ユウトさんですね。では冒険者ランクを決めるのでこちらについてきてください。」
どうやら、言葉と字が日本語でも伝わるようだ。(それにしても普通は冒険者試験を行うものなんじゃないのか?ランクを決めるとか読んだ本では最初は最低ランクスタートだったけど違うのか?)そう考えながら受付嬢の後を付いていくと、地下に着いた。目の前には大きな門がある。
「今からこの門をくぐって魔物を討伐してもらいます。魔物のランクはF〜Sまで用意してあり、ランクの低い順で一体ずつ出現します。倒せた魔物のランクでユウトさんランクが決まります。」
「つまりSランクの魔物まで倒せたら最高ランクからスタートできるってことですか?」
「いえ、Sランクからスタートできますが最高ランクはSSSランクですよ。現在のSSSランクは10人しかいません。Sランクからスタートした人は1人もいません。それと門をくぐった世界では人間が死ぬことはありません。至死量の攻撃を受けた際は強制的に門の世界から出されますので安心してください。」
「わかりました。ちなみに門の世界というのは誰が作ったんですか?」
「この世界の神、レーゼ様です。昔は最低ランクから始まり依頼をこなしてランクを上げて行ってたのですが、地上に降りたレーゼ様に1人の冒険者がその方法だと面倒くさいからどうにかしてほしい。と頼んだのがきっかけなんです。冒険者は1つ上のランクか、同ランク以下の依頼しか受けれない決まりなので。高ランクの依頼を受けさせて無駄死にさせるわけにもいかないですし。それでリゼル様が作ったのがこの門の世界なんです。」
「なるほど。てか神様って地上降りてくるんですか?」
「そうですよ。レーゼ様はよく地上に食事しに来ますよ。レーゼ様の事を知らないとなるとユウトさんは転生者もしくは転移者ですか?」
え!?もうバレたのか。まぁいつかは言うつもりだったし、隠す必要もないか。
「実は転移者なんです。すいません黙っていて。」
「ふふ。謝らなくていいですよ。珍しいことでも無いですし。いつこちらの世界に?」
「さっきです。」
「それでは知らないのも無理ないですね。じゃあユウトさんにこの世界で知らなくてはならない事を教えます。この世界にはレーゼ様と同等の強さを持つ者が4人います。」
「え!?神様と同等ですか!?」
「はい。2年前に転移してきた勇者がレーゼ様と同等の強さでした。その勇者と互角に渡り合ったのが魔王、精霊王、龍王です。ですがこの4人が均衡を保っているお陰でこの世界は平和なのです。」
「なるほど。けどその均衡が崩れたらどうなるんですか?」
受付嬢は少し暗い顔をして
「間違いなく戦争が起きますね。」
と言ったがすぐ普段の明るい表情に戻って
「まぁそんなことは起きないと思いますし、大丈夫ですよ。あ、すいません長々と。」
「いえ。この世界の事について教えてくれてありがとうございます。他の情報はゆっくり知っていこうと思います。」
「それがいいですね。
それではユウトさん。Sランクスタート目指して頑張ってください。」
「はい。」
そして俺は門をくぐった。
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