第7話 一生懸命調べるほど書けません
『普通調べたら身になるから、書けると思うんだけど?』
はい、お姉さま。
自分もバカではありませんので、かなり努力して調べてるんです。
その道を究めんと、努力した方に怒られないように、せめて頑張ったなと言われるように、専門的な知識を身に着けるために。
でも実際に自分の体でやってないので、動画とか見てもなんというか、どういう勝負に持っていったらいいのかがわからなくて、その、今回の小説でどういう展開にしたらいいのかわからなくなってしまって。
『自分にできないことをするからよ。自分にできないことはやめなさい』
ええっ、でもそれだと何も小説書けなくなるじゃないですか?
プロ野球の話書くのに、プロ野球選手じゃないとダメとか。
『そうじゃなくて、物語って自分の書ける範囲でしか書いちゃダメなのよ。説明できないってことでしょ? そんな妄想、誰が読んでくれるの?』
こ、これはきつい。だから勉強してるんですが、でも先が見えないっていうか……。
『努力するのはしないのよりもいいの。知ったかぶりで書くよりはずっといい。でもね、これは物語でしょ。楽しんでもらうのが大事だよ』
はい……。
『だからね。ストーリーを決めて、それに合わせて知識を調べて書くようにしないとダメ』
ストーリーを先に決める!?
『このプロットだと、未経験者の主人公が、修行して、その道の知識・技を身に着けるのよね。ここを最低限説得力あるように書くのは大事かな。最初に学ぶのは基本なんだろうけど、何でも基本って大事だから』
なるほど基本の重要性を説くのは都合がいいかもしれない。
『それから、主人公が勝負に勝つ、か。相手が達人だと絶対勝つの無理だから、相手にも弱点的なのを設けてそれをつくように作戦を立てさせるのが必要かな。なんでもいいの、ケガでも、良心の呵責でも。勝負を決める要素に専門的な知識があるといい感じ』
なりふり構わず勝たせる。
でも確かにそのくらいでないと、初心者が達人に勝つのは説得力がないかもしれない。
そうか自分はバカだった。
話の流れを考えて、足りないものを調べるんだ。
『というわけで、何か書くときに調べることは大事だけれど、肝心なのは、ストーリー、キャラクターに必要な知識を得ること。無い状態で書いてみて、埋めるものを考えるのもありだからね』
やっぱり、まず書くんだな、ストーリーを。
『もっとも、書く競技・分野について、何がわからないかもわからなくて、ストーリーが書けないレベルは問題外だから、そういう場合は勉強、調査が必要。何がわからないかも、わからないのは絶対書いちゃダメ。自分が書ける話を書くことに徹しなさい!』
はい、わかりました。
今回は見逃していただけた、ということですね。
『納得したみたいね、じゃあ続きを書きなさい!』
※今回のまとめ
ストーリーという骨子に必要な知識を調べてみよう
わからないことは書かない、頑張っても書けない、あきらめよう
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