第2話 シーンの描写ができないよ!
『今さらこんな悩み? いままでどうしてたのよ?』
ケイ姉ちゃんは今日も辛らつ。
だって、実は描写とか考えたことないし、勢いで台詞でつないでたから。
『そもそも悩むの事態、初めてってことね』
そうです。
そのとおりです。
『周り、見てる?』
は、はい?
今姉ちゃんの顔ならばっちり見てるけど。
この部屋、もうちょっと整理したほうがいいと男の俺でも思うよ。
『失礼ね! あー、もう、そうじゃなくて、キャラクターの周り。英知のは三人称単一視点よね? カメラを主人公に固定して周りの情景、心情も書けるし、カメラを少し離しての俯瞰的描写も可能っていうのは理解してる?』
な、なんとなくは。
『ならもうわかるはずなんだけど。主人公になりきって周りをぐるっと見なさい。どんな場所で、そこに誰がいて、どんな顔をしてるのか、自分ならどこに目が向くのか、そして何を思うのか? これを常に考えていれば、少なくとも何を書くかに関しては困ることなんてないはずよ』
あーわかった。なりきりか。
この場面は、自分がどこにいるかわからないから、周りをまず見るよな。
和風なお城の中だから、襖と神棚と、そこに一人女の子がいて……か、書けそうだ!
『一応補足しておくけど、本人になりきることが大事だからね。彼・彼女の知識での見え方かどうかもチェックするのよ』
なるほど、襖は流石に見たことはあるだろうけど、素人現代人なのに掛け軸に書かれた戦国時代の文字が読めたらおかしいとか、自然になるように考えるんだ。
『当然主人公以外の登場人物にもやるのよ。この場合は、それを外から見たときに、主人公からどう見えるか、という別の観点が必要になるのだけれど』
何だか高度になってる気はするけど、カメラが当たらないところは書かない、書けないのを守るってことなのかな。
『納得したみたいね、じゃあ続きを書きなさい!』
※今回のまとめ
登場人物の気持ちになって、周りをみてみよう(視点、描写)
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