ディアナ──色々な初めてに触れ、出会う秋。

 翌日の空は綺麗に晴れた。

 少し強い風が窓を叩いている。

 どこかで鳥が卵を産んで鳴いている。

 ルナとディアナは同じベッドで、デメテールはもうひとつのベッドで、聞きなれない鐘の音を聞いて目覚めた。

 朝のお祈りを行い身支度を始めた。

 デメテールはいつものように身体を隠すような服。色は上から下へ濃い紫から薄い紫へと、グラデーションになっている。

 ルナとディアナは風が強いからと長袖の白シャツに色の着いたベスト。ルナは可愛さを選んだ膝丈のスカートで、ディアナは動きやすさを選んだ膝丈のズボンだ。靴は森の中でも歩ける丈夫なものを選んできていた。

 鞄はルナが肩掛け鞄を、ディアナが斜め掛けの鞄を用意して、それぞれが必要だと思ったものを入れてきていた。

 デメテールは自分で、ルナとディアナはお互いの髪の毛を梳き合った。ルナは可愛くしてと首元でひとつに結んだサイドテール。ディアナは邪魔にならないのがいいと耳元で低く二つに結んだ髪型だ。

 シャツの下に入り込んでいたペンダントを外に出す。太陽の光に当たって輝いて、それがすごく綺麗だった。

 この宿は夕食のみを出しているのだとデメテールが言い、朝食は外でとることになった。

 必要な分だけの荷物を持ち、それ以外の荷物を持って部屋の鍵を閉め、一階に行く。

 そこには『預かりどころ』という、お金を払って荷物を管理してくれる場所があった。ほとんどの旅人はそこに部屋の鍵や荷物を預けるのだとデメテールは言う。

 そしてデメテールも引換札と交換して、部屋の鍵や余分な荷物を『預かり所』に渡した。──といっても、実は持ってきた荷物には『護る』魔法陣が見えない塗料インクで書かれており、そう易々とは盗られないものだったが。

 それでもデメテールが荷物を預けたのは、他の人より目立ったりしないためだった。

 デメテールはしばらく部屋を開けることを宿の奥さんに話し、それから朝食にお勧めの店を尋ねる。それはここから近いところにあった。

 カウンターに置いてあった地図を買い、三人で宿の外に出る。

「なるべくわたくしから離れないでね、二人とも」

「はーい」

「うん」

 デメテールのあとを着いて行くように、ルナとディアナは歩いていく。

 三人は少し先にあった食堂で並んでから入り、宿で聞いた通りに美味しい朝食を食べ、それぞれ飲み物を口にしながらテーブルに広げた地図を見下ろしていた。隣とのテーブルはそう離れていないので、声量は落としている。

「この地図の上の方で見切れてる全部があのわたくしたちの住む森ね。そこから川沿いに下ってこの村を通った先にあるのがここ『イオリスの街』、たぶん国内で一番大きくて、河川や舗装された広い道で他の街と繋がっている、交易を主とした商業の街よ。

 隣接している街のひとつに『リトホロの街』があるわ。そこは鉱物、特に鉄鋼が豊富に採れるオリンという山を抱えている鉱山の街。

 そして『イオリスの街』と『リトホロの街』に隣接しているのが、『ルピニオの街』。近くに海があるから水資源が豊富で、主に製塩業や畜産業をしているわ」

 デメテールがひとつひとつ指をさしながら話していく。ルナとディアナは興味津々とばかりに目をきらきらとさせてその話を聞いていた。

「『イオリスの街』の地図はこっちね」

 デメテールはもう一枚の地図を広げる。

 その地図は大きく、それでも簡略化されているのだろう道々がぐねぐねと、色の着いた線であちこちに分けられた地区の中やそれを越えながらのたうっていた。

 地図にはところどころに地区を表す名前が乗っていた。地図の下には別枠で、地区の名前と、おそらくは主要としている特産品や名物が色々と書かれていた。

「わたくしたちが居るのは川に近い左上のこの辺り。この辺りは旅人や商人が雑多に訪れるから、浅く広くなんでもあるわね。

 そこから中心に向かうと大きな広場があるわ。そこには太陽が登っている間だけ、一時間ごとに鐘を鳴らす高い時計台があるの。大体だけれど、そこを中心とした付近にはお高めの宿泊地区と商業地区と観光地区が広がっているわ。

 そこから下の方に向かうと住宅地区。右の方に向かうとこじんまりとした工業地区と貧民地区スラム

 左の方は主要路があるから、基本的にはあまりなにもないわね。主要道は途中から枝分かれして、街を囲むように環状になっているけれど……」

 そこまで話したところで、デメテールは地図から顔を上げた。

 ルナは飲み物を手にぽかんと口を開けていて、ディアナはコップのふちをくわえながら考え込むように眉をぎゅっと寄せていた。

 デメテールは苦笑する。

「……一気に話しすぎたわね。じゃあ、まずはこの中心部に行ってみましょうか」

 デメテールは地図をたたむと鞄の中に仕舞しまう。ルナとディアナはこくこくと何度も頷いていた。

 食堂をあとにした三人は、『イオリスの街』の中心部に向かっていた。

 中心部はそこまで離れていないのか、それとも時計台とやらが大きいのか、それとも雲ひとつなく晴れているせいか、目を凝らせばここからでもぼんやりとそれらしき姿シルエットが見える。

 風が肌を撫でる。森で感じる空気と違って乾いていた。木の葉の色が変わるこの時期は、よく晴れるが風が強い。それは森も街も同じのようだ。

 三人で数十分ほど歩く中、ときおり大きな馬車が通ったり、店の前で飲み物を手に大声で話している人たちを見かけたり、補整された路面に布を引いて簡単な出店を出したりしているのを見かけた。

 あっさりと見流すルナとは対照的に、ディアナは好奇心からそれらを凝視していると、デメテールが手を引いてきた。その度に、ディアナは慌てて前に向き直った。そうだ、瞳を見てはいけないっていう約束があったんだ。あんなにはしゃいでいたルナは、意外にちゃんと気をつけてるみたいだけど。

 やがて辿り着いた街の広場は、ところどころが植樹、植栽されていて、豊かな木々や色とりどりの花が美しい景色を作り出していた。

 そして、その中心にある時計台は、見上げても見上げても尖頭が遥か遠くにある、とても高いものだった。

 それは下部の半分ほどが煉瓦造り、残りの上部が鋳鉄によるもの、文字盤の針や数字の部分は海で採れる──夜になると光を放つ──化石でこしらえられたもので、けれどルナとディアナはそれを知るはずもなく、その景観にただただ圧倒されている。

「すごーい……」

「すごいね……」

「見事なものでしょう? それに目立つから、人との待ち合わせ場所にも使われるの。あとは迷子になったら真っ先に行く場所ね。だから二人とも、ここだけは忘れないようにね」

「わたし、迷子になんてならないし」

「あたしも」

 デメテールの軽口に、真面目な様子で二人は返した。デメテールはくすりと笑むと、

「さて、そろそろ他を見て回りましょうか。まずはやっぱり観光地区かしら」




 デメテールに連れられて訪れた観光地区では、肌や髪や瞳の色が各々に違う人々が行き交い、あるところでは色鮮やかな景色を楽しんだり、ある出店では置いてある品を手に取って購入したり、ある通りでは大道芸と呼ばれる変わったものに拍手を送ったりしていた。

 もっとも、『手品マジック』と呼ばれるその芸は、ルナとディアナには別段不思議なものには感じず、沸き起こっている拍手と歓声には少し戸惑いを覚え、二人は顔を見合わせた。

 何も入っていない帽子の中から鳥を出すことも、大きな箱の中に入った人間を扉を開けずに出すことも、口から刃を潰した長い剣を出すことも、自分たちなら魔法で出来ることだったからだ。

 次に辿り着いたのは、森では見たことのない動物たちを見学したり、あるいは触れて餌をやることが出来る『テーマパーク』だった。

 見学だけが出来るのは大型の動物がほとんとで、それは大抵大きな牙や爪を持ったり、どこまでも飛んでいける羽根を持ったものだったり、膂力りょりょくが強いものだったりした。

 それは確かに見ていて好奇心を刺激されるものだったが、彼らは一生を檻の中で生きるのだ教えられると、なんだか寂しいような苛立ちのような、やるせない気持ちを覚えた。

 檻の中にはいない、触れられる動物たちのところにも行った。ルナもディアナも、初めて本物の『猫』にさわった。本では知っていたけれど、森では見たことがなかったからだ。

 ディアナが特に気になった黒い猫は金色の鋭い瞳をしており、手を伸ばしてもするりと手からすり抜けて行った。がっかりしたが、他の人を見ると、上手くさわれている人とそうでない人と半々くらいに見えた。

テーマパーク』を後にしようとしたとき、ルナがいないことに二人が気づき慌てて探すと、ルナは檻越しに、羽根が綺麗で赤い眼をした白いふくろうをじっと見ていた。

 その後はめずらしい植物を主とした『テーマパーク』に行ったらデメテールが軽く先生状態になってルナとディアナがちょっと辟易したり、絡繰り仕掛けの乗り物に乗れるという『テーマパーク』に行ってデメテールが見守る中でルナとディアナは二人で全種類の乗り物を制覇したりをした。

 暗くなった頃に宿に戻ってお腹いっぱいに食事を取り、その夜はルナと一緒のベッドで夢も見ないくらいに深く眠った。




 次の日もまた一旦広場へと行き、そこから向かうのは商業地区だ。

 ここでは、他の街や国との交易で得られた珍しい品々を扱っている店が多いと、デメテールは言う。

 デメテールが魔法に使う道具や本も、主にこの辺りで購入していると教えてくれた。

 ここでなら、ルナが欲しがっている眼鏡グラスィズもあるかもしれないと、ルナは笑顔になる頬を押さえてぴょんぴょんと跳ねていた。

 商業地区は観光地区よりも人が多く歩くのにも窮屈で、あちこちで喚くような声があがっていて、悪くいうならごみごみとしていて、良くいえば強い活気があった。

 ディアナはデメテールとルナに引っ付くように歩いていたが、わくわくした感情よりも、なんだか人の動きが嵐の時の風みたいで攫われそうだという不安の方が強かった。斜め掛けにしている鞄の紐を両手でぎゅっと握りしめる。

 そして身体の大きい、煙と汗の臭いが強い人間とすれ違った時。

 煤で黒く汚れた大きな手が、自分の胸元に伸ばされるのを、ディアナは見た。

 ──ぶちっ!

 と何かがちぎれる音が聞こえた。

 それは、首から下げていた月長石ムーンストーンのペンダントがちぎれる音だった。

 首の辺りが少し軽くなったのを感じる。

「──っ」

 声は出なかった。

 ディアナは足を止めると慌てて周囲を見渡した。

 金とみどりのペンダントを持つ誰かの手も、それどころかデメテールやルナの姿も、いつの間にかディアナからは分からなくなっていた。

 風みたいな勢いで好き勝手に動く人々だけがそこにある。

 驚きと困惑と怖さで、ディアナの足が震える。手が震える。それでも震えながら考え、なんとか後ろを振り向いて、先程の人間が向かったであろう方向に、けれどほとんど闇雲に歩き出した。

 その人間とすれ違ったのは一瞬だ。だからディアナが覚えているのは、大体の背の高さと、鼻をついた不快な臭いと、煤で薄汚れていた服装だけ。

 約束を守るために、不用意に瞳を見ないようにしていたから、顔は見ていない。

 だから逸る気持ちで歩きながら大小様々な手元を見やり、色も形も違う服装を見つめる。あちこちに屋台があって風が強く吹くから、臭いは混ざってよく分からない。

 もどかしさに呼吸が乱れて立ち止まる。人の密度が濃すぎて走れない。のろのろと歩くのがやっとだった。せっかく動きやすい服を着ていても全く無意味だ。

 ──魔法が使えたらよかったのに。

 ディアナは歯噛みする。

 鞄の中には幾許いくばくかのお金と共に、その方が落ち着くから、という理由で、小さな簡易魔導書も入れていたのだ。それはかなり昔、デメテールがディアナに買ってくれた物だった。

『捜す』魔法を使えばきっと簡単にペンダントは見つかるだろう。けれどそれは、デメテールとの約束の一部を破ることになる。ディアナは、それはしたくないと思っていた。

 いきなり、前方から一際高い人の声が上がる。それはまるで、唐突な痛みに苦しむような声音。

 ディアナは声のした方へと人を掻き分けて進んでいく。そこには軽い人だかりが出来上がっていた。

 その中心には、二人の人間がいた。

 大人と、少年。

 明るい橙色の髪をした少年の方が、大人の方の腕をひねりながら、苦笑のような、不思議な笑みを顔に貼りつけて言う。

「手癖悪いなオッサン。知らねーの? 『イオリスの街』では窃盗は重罪なんだぜ? この街は物を大事にする街だからな」

「なっ、なんのことだ! 俺は何もしていない! 離せぇ!」

 背中へと腕をひねられて地面に伏した大人が、痛みとともに叫んでいる。

 その様子を見た少年が、はあ、と呆れたように嘆息した。

「つっまんねー嘘はやめとけよ。余計に罪が重くなるぜ? ──なあ、そこのアンタ!」

 大きな声に、びくっとディアナが身を震わせる。それと、なぜか少年が、真っ直ぐにディアナへと向かって勢いよく手招てまねきしていたからだ。

 けれどもちろん、ディアナは少年を知らない。見たことなんてない。

 だからディアナは肩をこわばらせつつも、ゆっくりと自分で自分を指さした。本当にあたし? と思って。

「そうそうアンタ! ちょっとこっちに来てくれないか!」

 少年の声がさらに大きくなった。

 人だかりを作る人たちは、ディアナと少年たちを好奇心から、あるいは興味本位からの眼差しを向けている。

 今すぐ逃げ出したい心細い気持ちになりながら、ディアナは少年へと足を向けていく。ディアナが近づくと、さっき嗅いだ煙っぽい、汗の匂いがするのが解った。

 少年は変わらず腕をひねりながら、けれどディアナが来たことに対してほっとしたように笑顔を浮かべた。

「なあこのペンダント、アンタのだろ?」

 少年は自らの手首に巻き付けるように金のチェーンを握っていた。その途中にはディアナの瞳と同じみどりの石がある。

 一目見て、間違いなく昨日デメテールがディアナの首にかけたそれだと確信したディアナは、少年に向かってこくこくこくと何度も頷く。

 少年はにやりと口端を上げた。

「ほい、彼女が証人、ってか当人な。オッサン、これで窃盗罪と偽証罪は免れねーぜ? 観念するんだな」

 少年がそう言って更に地面に押し付ける。それは器用なことに半身と片手だけだったが、一部分に体重をかけているのがディアナには分かった。

 少年に捕まっている大人はなおも暴れるが、そう間もなく、警邏けいらと思わしき黒い制服姿に剣をはいた人たちが現れた。

 少年は人間を押し付けたまま事の経緯を上手く話すと、真面目そうな顔つきをした制服姿の人たちに、捕まえた人間を引き渡した。

 彼らは大人を連れてすぐに去っていき、それと同じくして人だかりもさあっと街に溶けていった。まるで台風の後のようだとディアナは思った。

 少年が、ディアナへと歩いてくる。

 その表情は厄介事に巻き込まれた暗い嫌な顔というよりも、明るくすっきりとした気持ちのいい笑顔だった。ディアナはぱっと俯いたので、ほとんど見られなかったが。

「お待たせ。ほら、これ。ペンダント」

 少年がディアナのペンダントを片手で持って差し出してくる。ディアナが両手を差し出すと、掌の上に乗せられる形で受け取った。チェーンがしゃらんと鳴る。

 ディアナは顔は上げられないまま、精一杯の声を出す。

「……ありがとう」

「こんな見るからに高い石、服の上からかけてちゃダメだぜ。こういうのは、ちゃんと服の下に隠しておかねーと」

 こうやってなー。と、少年が人混みから避けるように道の端に移動しながら、紺色をしたスカーフの下の首からペンダントを引っ張って、ディアナに見せる。

 それは濃く透き通った朱色をしていて、適度に日に焼けた少年の肌によく似合っていた。

「……でも、そのチェーンちぎれちゃってんだよなあ」

 少年が自身のペンダントを服の下に戻してからうーんと腕を組む。

「別に、ポケットの中に入れれば……」

 大丈夫。と、少年の後を追って道の端に寄ったディアナがペンダントに目を落とした。

 大丈夫。口ではそう言っても、やっぱり悲しいことに変わりはない。理由はなんであれ、せっかくデメテールがディアナのために創ってくれたものだからだ。それがチェーンだけとはいえ壊されてしまうなんて。

 少年が、色の強い大きな目を丸くした。

「は? なんで?」

「なんで、って……」

「直せばいいだろ?」

 当惑するディアナに、少年はまるでそれが当たり前であるかのように、はっきりとした口調で言う。

「……『直す』のは、ちょっと、難しい」

 ディアナは少し考えてから返事をした。『直す』魔法でなら、確かに直せるかもしれない。だけどこれはデメテールが自身の魔力を込めて創った魔道具の一部だ。もしかしたら、創った本人であるデメテールにしか直せない可能性もあった。

「そっか」

 少年は俯いたままのディアナにも、口ごもるような言い方しか出来ていないディアナにも気を悪くしたふうはなく、静かにディアナを見つめている。

 ディアナはその穏やかな眼差しに、このペンダントが魔道具であることを自分から話すことも、それからデメテールとルナを探したいと自分から動くことも、なぜか出来なくなっていた。

 言った方が良いのか、言わない方が良いのか。分からなくなって本当に口ごもってしまう。

 そしてやはりというか、先に口を開いたのは少年の方だった。

「んじゃ、買うしかないっぽいなー。なあ、お金持ってる?」

「も、持ってるけど……買うの? なにを?」

「そのチェーンの代わりだよ。オレ、良い店いくつか知ってるからさ」

「……どうして?」

 どうして?

 その一言にはディアナの色々な感情が込められていた。

 どうしてあたしのペンダントを見つけてくれたのか。

 どうして顔すら上げない、なにも言わないあたしを嫌にならないのか。

 どうしてひとつひとつ、あたしに親切にしてくれるのか。

 ディアナにとって、この出会ったばかりの少年は、不思議で仕方ない存在だ。

「だってそのペンダント、アンタにすごく似合ってるからさ。壊れたままなんてもったいねーじゃん?」

 だろ? と少年がディアナの顔を覗き込んで笑う。後ろで一つ結びに括られた、尻尾みたいな橙色の髪の毛が揺れるのが見えて、髪が少し長いのだと初めて分かる。

 少年の瞳がディアナの瞳を、ディアナの瞳が少年の瞳を映し出す。

 彼は、夕焼けの太陽のように綺麗な、あかい瞳をしていた。

 ゴーン、ゴーン、ゴーン──……と、大きな鐘の音が辺りに響き渡る。

 それは、ディアナの胸の奥にまで響いて、しばらく鳴り止まなかった、

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