惜しみない拍手

 自分に拍手

 したことないや

 ブーイングなら

 いくらでもあるけれど


 わたしはどれだけ

 素晴らしいものに拍手したことでしょう

 それだけは誇れるかもしれない

 本を読んで

 音楽を聴いて

 映画を見て

 ぼんやりして

 日々を過ごして

 なにげない風景の美しさを知って

 なにげないだれかの優しさを感じて

 わたしはそれらに

 惜しみなく拍手して

 いまもしていて

 それは伝わらない拍手ではあるけれど

 わたしひとりを喜ばせるだけかもしれないけれど

 蔑むよりも

 嘲笑うよりも

 わたしはそのときいい気分だった


 あなたにも

 惜しみない拍手

 いつも思い出すよ

 二度と会わなくても

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