この世が音だけなら
この世が音だけなら
わたしは喜んで存在しただろうに
音を聴くだけの
透明ななにかとして
わたしは音しか愛していない気がする
絵を眺めてすら
線や色から感じられる
音を愛でているだけかもしれない
音
呼吸と鼓動と風の音
身近な足音
迂遠な声音
なぜ素晴らしいのかわからない音楽
この世が音だけなら
わたしは存在したかったのに
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