不鮮明な荒野
眼を閉じると
不鮮明な荒野が見える
像のない広がり
入れない奥行き
色はない
白と言っても黒と言っても嘘になる
茫漠としている
わたしはこの荒野を真剣に探ったことがない
眼を開ければ消えるという安心が
わたしをこの荒野に長居させない
しかし眼を閉じれば
そこには必ずある
いつも広がる不鮮明な荒野
わたしの火葬が瞼を燃やすとき
荒野は初めて鮮明に見えるのか
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