　大好きなバンドのライブに行って

　ここにいる人たちみんながこの音楽を愛しているのかと

　そう考えると嬉しくなり

　そしてその後

　不気味だなと思った

　みんなが熱狂している

　みんなが歓声をあげている

　こんなに多くの人間が同じ場所で

　自分も大好きな歌

　自分も大好きな音楽

　なのに

　こころの片隅で

　不気味だなと思った

　たぶん、自分にとって最上位に好ましい対象なのに

　それを介してすら

　集団を愛せなかった

　一体感になじめなかった

　この病気は

　処置なしだ

　嫌悪がわたしの伴侶であるかぎり

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