詩ではない言葉に触れたくない

 詩ではない言葉に

 触れたくない

 しかし詩は

 焼きごてのような言葉でもあって

 刻まれ、変容を促すような言葉に

 四六時中触れているわけにもいかない

 言葉を受け止めるには

 それ相応の体力や気力もいる


 しかし詩ではない言葉に触れたくない

 埃まみれの言葉にのたうちたくない

 焼きごてのような言葉が

 なぜだろう

 疲れた身には受け止めきれないほど消耗させられるはずなのに

 どこからともなくふつふつとわいてくる由来の知れない活力を与えてくれるような

 そんな作用


 詩ではない言葉に触れたくない

 死者の耳には詩だけが聞こえているのか?

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