こころの口癖

 ぼくのこころの口癖は

 死ね

 いつもその言葉が浮かぶ

 他人に言っているわけではない

 自分に言っているわけでもない

 対象もなく

 感情もなく

 ただ死ねと

 言葉が浮かぶ

 泡のように

 消えてはまた現れる

 死ね

 死ね

 死ね

 ポケットに入れたお守りの感触を指先で確かめるように

 その言葉の毒を

 胸の内側で確かめる

 燃える火に手をかざすように

 鋭い刃先に指を滑らせてみるように

 死ねという棘に

 自分が紐づけられていることを確かめるように

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