福音書の好きなところ

 福音書が胸を打つのは

 人間を信じていないところだ

 だれも信じられないと言っているところだ

 近親も仲間も自分自身も

 最終的には裏切るものだから

 絶対にだれも信じるな

 そう告げている痛ましいほどの暗さ

 それが福音書の冷たさであり

 最大限の優しさだと思う

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