保菌者
必ず一歩しりぞいて
線を引いてしまう
なにがそうさせるのか
なじめない
わからないまま
線を引く
自分と思えない自分を
幸福と呼ばれる風景からもぎ離す
感染を憂う
保菌者のように
境界の向こう側
薄日の差す団欒の風景
日光に棘を感じて逃げるのは
ぼくだけの病なのか
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