燃えるのはいつ

 人はちょうどよく死にはしない

 いつも早すぎるか遅すぎる

 雲のまがきが紫に染まる

 他人が柩ごと燃えているあいだ

 おれが燃やされるのはいつだろうと

 だれかの宣告を待ちつづけた

 ぼくの遅すぎる死

 宙に浮かんだ待ちぼうけ

 いらない未来が火葬色に染まる

 ぼくはちょうどよくこころが砕けた

 あとはただ

 時差が埋まるのを待つばかり

 待つのはつらい

 待たなくてもいい

 早く来い

 早く燃えろ

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