静かなバッハ
バッハは静かだ
とても静かだ
もちろん曲の話だ
バッハが弾いているわけでもない
バッハの作った曲の話だ
バッハが寡黙だったかは知らない
バッハの曲もすべては知らない
単なる大雑把な印象の話だ
ピアノを聴きながら思った感想だ
バッハの音楽は音楽なのに静かだ
音が鳴っているのに静かだ
精緻だけれど冷たくはない
退屈だけれどつまらなくはない
遠慮しながら歩く僧みたいだ
草も虫も踏まない足みたいだ
明るくも暗くもない
哀しくも嬉しくもない
雪原に残された
枯葉の積もった脇道みたいだ
バッハは静かだ
とても静かだ
いつでも無心に聴いていられる
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