あまねき老人
劣っていく
一日前の自分より
劣っていく
小指はしなやかさを失い
歩くリズムは微細に乱れ
声は少しだけ低くなる
劣っていく
ひからびる成長速度で
劣っていく
最後の日
しぼんだ柿みたいな
劣ることを極めた肉体
皺に残された精神
それでも
死を演じきるという点において
子どものように若やいだ老人
初源に近づいた幼い老人
いくつになって死のうとも
死ぬときの
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