存在は痛み

 存在することは痛い

 存在は痛みを伴う

 呼吸は存在をすり減らす

 鼓動は存在を削り取る

 一秒ごとにえぐれていく

 存在は穴だらけに耐えること

 存在は裂け目に慣れること

 存在は痛い

 存在は苦しい

 生まれたときの

 ちぎれるような泣きわめきが

 存在の痛みを証し立てている

 その叫びは全力の否みだったのに

 残酷にも存在はつづいてしまった

 存在が痛い

 存在は耐えがたい

 死の痛みは不可知で計り知れないが

 存在よりもマシだと願っている

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