生存凝視
凝視しよう 生を とりわけて無意味な生を
視線で鱗を剥落させよう 慣習と惰性による生存の表皮をこそげとろう 繊維のように細い骨格だけを見出だそう そこに生存の理由の本然があるかといえば きっとない 本能による欲求くらいしかたぶん見つからない
それでも飾りを一掃するのは こころ躍る自浄的自傷行為だ 生存を細く細く限定する どんなふうにも生きられる という幻想を指先ですりつぶすのは 鉛筆の先を削るような作業的快楽がある
凝視しよう 生を とりわけて死に近い無意味な生を
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