路地裏の僧侶

 闇と破局した路地裏が

 救済を静かに求めている

 電球を四十二個砕き

 余光の破片を不毛にばらまく

 泥水のたまりに反射した輪廻が

 贋作の希望で猫の眼を眩ませる

 路地裏で黙禱していた四人の僧侶が

 ひとり死に

 ふたり死に

 ちょうどそこで闇が通りかかった

 生き残ったふたりの僧侶が

 ひとり消え

 ふたり消え

 初めからだれもいなかったんだ

 信仰深い猫の見た幻さ

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