不眠の劣等意識

 尽きせぬ劣等意識が足場を崩しつづける

 クズにも劣る人格しか獲得できなかったという忸怩じくじたる無力感

 だれも喜ばせることのできない浮き草

 慈悲深い菩薩ぼさつですら眼をそむける敗残者

 生まれ落ちたことが失敗だった

 間違いだらけの道すじをたどってしまった

 もだして死ぬのが最上の道なのに

 それすら手が震えてなしえない

 死にすらも見放されてしまった

 あまりに無意味すぎる日々

 だれからも望まれない生存

 いまもまだ眼は開いている

 いまもまだ眠れずにのたうちまわっている

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