詩への憧れ

 鋼のように強靭な詩を読んだときの

 あの脊髄の痺れ

 雪のように淡く哀しい詩を読んだときの

 あの胸の震え

 影のように黒々と暗鬱な詩を読んだときの

 あの指先の戦慄

 獣のように荒々しく恋い焦がれる詩を読んだときの

 あの魂のほむら

 ぼくに詩を書く才能はないし

 必然性も運命もないが

 だれよりもうまく言葉と遊んだ人たちが残してくれた

 なにゆえにか生まれてくれた透きとおった言葉たちへの憧れが

 ぼくの手習いを持続させる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る