本棚は時が止まっている

 本棚

 群衆のように言葉がひしめいている

 共同墓地のように言葉が横たわっている

 言葉を生み出した人たちは

 すでに故人であるかどうかに関わりなく

 もはやこの世に存在しない

 本はすべて過去に書かれたものだから

 書かれた瞬間はすでに死滅したものだから

 言葉を書き終えると人間は変化してしまうものだから

 また一方で

 言葉がある限りその瞬間は永続する

 書かれた瞬間の魂は永続する

 込められた想いは永続する

 本棚

 それは時の博物館だ

 その静止した時間の数々は

 死んでいるようでもあり

 生きているようでもある

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