ハーブティー
初恋の死体が客間に転がっている
急の来客により
とりあえず浴室に放り込む
お慕い申し上げている相手とハーブティーを楽しむ午後のひととき
なんだかこのお茶、血の味がしますね
なぶるように笑っている来客の一言
気のせいですよ、と答えながらカップを持つ手が震える
浴室の方からなにかが倒れるようなけたたましい物音
オットセイが寝返りを打ったような、いまの音はなんでしょう
気遣わしげに笑っている来客の一言
猫でも迷いこんだかな、とヤケクソでしらを切りながら窓の外を眺める
べとついた足音が客間に迫る
振り返ると
初恋の死体が扉を開けて入ってきた
惨たらしくも美しく死んでいる、この方はどなたでしょう
笑いながら怒っているような来客の一言
もういいや、きみも座りなよ、と諦めて初恋の死体にお茶を用意する
そのかわりハーブティーを飲み終わったら
ちゃんとまた死んでくださいよ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます