死への呪詛

 不幸なんてだれも望まないよ

 不幸なんてだれも喜ばないよ

 こんなに暗い詩ばかり書いているぼくだって

 不幸なんて大嫌いだよ


 だれにも死んでほしくないんだよ

 人が死ぬことが受け入れられないんだよ

 気が狂いそうなんだよ

 眠れないんだよ

 だれにも消えてほしくないんだよ

 どこにも行ってほしくないんだよ

 死なんて消えてしまえばいい

 この世が命ですし詰めになって

 割れる寸前の風船みたいになるとしても

 死なんて消えてしまえばいい

 死ねばいいのは死だけだ

 死んでしまえ

 死んでしまえ

 死んでしまえ

 あなたが死じゃないのなら

 死んでくれるな

 死んでくれるな

 死んでくれるな


 もう泣きたくないんだよ

 もう引き裂かれたくないんだよ

 もううずくまる代わりに無感情の仮面をこしらえてへらへらしてるのは

 うんざりなんだよ

 痛くてたまらないんだよ

 気が狂いそうなんだよ

 眠れないんだよ

 だれもわかってくれないんだよ

 どこにも行き場がないんだよ

 痛みなんて消えてしまえばいい

 死ねばいいのは痛みだけだ

 死んでしまえ

 死んでしまえ

 死んでしまえ

 あなたが痛みじゃないのなら

 死んでくれるな

 死んでくれるな

 死んでくれるな


 死は死ね

 だれよりも無惨にくたばれ

 痛みを道連れに死ね

 焼けて埋もれて二度と出てくるな

 死ね、死ね、死ね

 死んでしまえ

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