弱き所、弱き詩

 もし誇るべくば 我が弱き所につきて誇らん

 聖書のその言葉を読むと

 泣きたくなるような思いがする

 誇れるものなどなにもない自分の人生が

 許されたような気にさえなる


 人の弱みにつけこむ所が

 宗教のいやらしい特性だと

 こころある人は苦々しげに言う

 それはまったくそのとおりで

 宗教の言葉にはいつも

 結婚詐欺師のようなきな臭さと

 爆弾魔のような危うさがつきまとう

 でも弱さに触れない宗教に

 なんの価値があるのか

 世間さまが無視する部分に

 とにかくも触れるのが宗教だ


 そうはいえ熱心な信徒には

 とても自分はなれないが

 せめて弱さを肯定するような

 優しい言葉をつむぎたい

 踏みつけられた魂と遊びたい

 もし誇るべくば

 我が弱き詩につきて誇りたい

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