第13話

そうして少女は家からでなくなっていた


暫くたって、あの少年が死んだことを知った

あの後飛び出して追いかけた母親が見つけたのだという

眠るように死んだ少年の亡骸を…

塞ぎこむ少女の耳に入らないようにしていたようだが少女は知っていた


何故家から出ていない少女は知ったのか

生きた者死んだ者に限らずその記憶を読み解く能力

ーーー

「それってアンジェが言っていた呪毒…」

「それは違うと思う。うちの知る限り初めは元々呪毒と呼ばれる痛みはなかった。ただ記憶を読むだけ。それにアンジェは君の記憶も覗いていたはずだよ」

「た、確かに…」

「記憶自体にロックをかけるようになったのはもう少し後だ。魔女を追放された…いやエクソシストが魔女狩りを開始した頃くらいだ。ただ記憶を読み死者の痛みを伴う呪毒を作ったのは紛れもなくうちのせい」



「それはどういう…」


「続けるよ」


ーーー


両親や村人の記憶を読み彼が死んだことを悟った少女は原因が魔法にありそれを忌むべき存在として放棄させようとした



魔法に目覚めた村人たちに二度と使わせないように訴えた



しかし少女の訴えに応じる者など誰もいなかった



やがていさかいの対象を少女に向けた村人たちはやってはいけないことをした



「――殺意。」


殺意を以って魔法を振るう


少女が嫌う魔法の使い方だった



縄で縛られ身動きが取れない少女に向かって一斉に魔法が飛んできた


「―――あぁ。なんて醜い生き物だ」



少女は…うちはそう思った


それで…うちは魔法を使った


時間が止まり縄を燃やした

「さてそろそろ動かすか…」


…そう思った。

このまま動かしてもまたうちが狙われるのでは?と思った



そういう当たり前な考えを…傲慢な考えをもつことすら少女には許されなかった



何故なら…



時を動かしても村人が動かない。


それどころか周りの動物さえも止まって死んでいた




「うちが…殺した…?」


そう思ったらその場にいたくなくて遠くに逃げた



―――これが傲慢な少女が巻き起こした最初の悲劇だった。










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