第五章 -2

 それから何事もなく数日が過ぎ去った、よく晴れた日の、正午過ぎだった。

 そのとき、リージャは偶然、アンドゥールと共に、食堂にいた。リージャは部屋の掃除を、アンドゥールは調度品の点検をしているところだった。

 馬丁がそこへ入ることは、日常、禁じられていた。ケスリーがそこへ飛び込んできたことを、アンドゥールはまず、咎めなければならなかった。だが、それをさせないほどの、異様な切羽詰まった表情を、彼は浮かべていた。

「大変だ、アンドゥールさん!」

 青ざめた表情で、ケスリーは叫んだ。

「――小屋から、竜がいなくなっている」

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