第468話決戦!VS国際テロ集団(4)
「何?あのガキが?」
潮崎師匠の言葉に、ジャン、ボルコフ、アラン、カマルが一斉に首を傾げた。
潮崎師匠は、カラカラと笑う。
「ああ、そう思うだろうな」
「身体の痺れが残っているとはいえ、元各国軍のトップ20人以上」
「あの少年一人が、ほぼ倒したとならば」
華音が、潮崎師匠の前に歩いて来た。
「今、武器弾薬を他の船に積み込んで、ほぼ終わります」
「あとは、この4人の人たちだけですね」
潮崎師匠が頷くと、柳生霧冬と柳生隆も歩いて来た。
柳生霧冬
「殺さない程度にしたぞ、取り調べもあるだろうから」
「まあ、ほとんどは華音だけど」
柳生隆は華音に呆れ顔。
「少々えげつないけれど、腰骨を折られたり、両肩脱臼とか」
「お前の蹴りは、鉄球のようなものだ」
「また、それがメチャクチャに速いから、かわせない」
華音は、柳生隆の言葉を手でおさえた。
「手加減しましたから、殺すなって言われたし」
「強い相手に手加減は難しいんです」
と、結局、嫌そうな顔。
潮崎師匠が、ジャンの顔を見た。
「おい!ジャン、投降しろ」
「どう考えても、お前らの勝ち目はない」
ジャンは、まだ信じられない。
しかし、船から海を見れば、白衣の少年が言った通りに、おそらく自分たちの船から武器弾薬を積み替えた船が、この船から離れて行く。
しかも、自分の目の前には総勢50人を超える戦闘服を着た男たち。
また、さんざん指導を受けて、その強さと恐ろしさを知り尽くしている潮崎師匠も厳しく自分を見つめている。
ジャンが、素直に頭を下げた。
そして、「仕方ありません、負けました・・・」と言いかけた時だった。
「おいおい!ジャン!」
カマルが金切り声をあげた。
「そんな簡単に諦めるのか!」
「嘘に決まってるだろう!あんなガキに俺たちの部下が負けるわけがねえだろ!騙されているだけだろう!」
「このチキン野郎!」
柳生霧冬が、華音を見た。
「やはりこの小僧はアホだ」
「おい、華音、仕方ない」
「遊んでやれ・・・同じく殺さない程度に」
するとカマルが柳生霧冬を睨む。
「何だ?そこの年寄り!日本語?言葉がわからねえ!」
そのカマルを潮崎師匠が制する。
「よせ、カマル、そこの老人は俺より鬼だ」
「それで、あの少年は、そこの老人より強くて怖い、鬼を越えている」
華音は、途端に嫌そうな顔。
「また、人を化け物みたいに」
「師匠まで、そんなことを?」
潮崎師匠は、そんな華音の反発は聞かない。
カマルを手で呼び寄せ、華音と対峙させる。
「カマル、嘘だと思ったら、こいつと戦ってみろ」
「まあ、痛みは自分持ちだ」
華音は、まだ嫌そうな顔。
カマルは、自分の腰のナイフに手を添えている。
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