第370話華音とデートをしたくて悩む藤原美里 しかし華音は
藤原美里は、華音が面白くて仕方がない。
「年下だけど、実にしっかりしている」
「目も治してくれたし、背筋の矯正もしてくれた」
「何より、一緒にいて、癒される」
「ずっと一緒にいたい」
しかし、華音の周囲を固める女性たちが気にかかる。
「実に美少女で固めている」
「ブロンドでスタイル抜群のシルビア、頭脳明晰、ベルギー人いうのもエキゾチック」
「和風シットリ美人の春香、京西陣出身も、少し押される」
「エレーナはルーマニアか・・・何しろグラマー、パワーあふれる。華音君を見る目が熱い」
「そして、瞳ちゃん、普通の女の子なんだけど、華音君と並んでいると、実にしっくりと見える、もしかすると華音君と相思相愛?」
「今西圭子さんと松田明美さんは、ライバルにはならない」
「あまりにも年増過ぎだから、今はいいけれど、時間が解決する」
藤原美里は、思った。
「あの女性陣を除去して、何とか二人きりで、デートしたいなあ」
「政府の仕事の打ち合わせと言って、連れ出す」
「・・・って、どこに?」
と、二人きりでデートをしたいと思うものの、なかなか場所の設定が難しい。
下手な場所を設定すると、あの女性陣が付いて来てしまって、そもそもの目的が破綻してしまう。
「うーん・・・横浜は、この間食事をしたなあ」
「その次は、全く雰囲気が違う西荻窪の街中華」
「あまりチャラチャラした子ではないから、派手目な街は似合わない」
「・・・となると・・・」
藤原美里が思いついたのは、駒場の日本近代文学館。
自然豊かなな駒場公園内にあり、かつては東洋一の大邸宅と言われた旧前田侯爵のお屋敷もある。
しかし、連れ出す目的をはっきりしないと、また女性陣がついて来て、大混乱となるのが目に見えている。
素直に「二人きりで、デートしましょう」と言えないのが、実に面倒と思うけれど、そうかと言って、政府の仕事を頼まれているだけで、実は恋人でも何でもないことも事実。
「うーん・・・どうしたらいいのかなあ・・・」
藤原美里は、スマホを持って、何度も華音の名前をタップする寸前にまでなるけれど、そのたびに「ビクッ」として、スマホを手放す。
「はぁ・・・私のほうが年上なのに」
「スマホが汗ばんでいる」
「こんな私を、華音君はどう感じているのかな」
「何も感じていないと・・・どうしよう」
「彼女はいますって言われたら?」
「奪い取れる?」
「奪い取れる自信は、危うい」
「そうかと言って、気持ちが熱い」
「逢えば逢うほど、ドキドキが募る」
さて、華音は、藤原美里が悩んでいるなど、全く理解はしていない。
「せっかく外語大の先生に、フランス語とドイツ語、イタリア語のレッスンを受けるんだから」と考えて、書庫を探索。
「そう言えば、簡単な入門書があったはず」と探していると、シルビアとエレーナが入って来た。
シルビア
「華音、ベルギー人はフランス語もドイツ語も話すよ、だから任せて」
エレーナ
「ルーマニア人だから、イタリアは近いの、教える」
華音は、ホッとした顔。
さっそく、シルビアとエレーナを講師に、語学勉強に励むことになった。
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