第277話お地蔵様を花で飾る計画、サンドイッチ朝食パーティー

朝7時半となった。

熟睡状態していたお姉さまたちは、華音がいないことに気がつき、本当に慌てた。


シルビア

「あの馬鹿華音!昨日一人で出歩いてあれほどひどい目にあって、周囲を心配させたことを全く理解も反省もしていない」

春香

「やばいよ、これ、寝ている場合じゃないって!」

エレーナ

「裸で寝たのが失敗、ブラつけるのが面倒、きつい」

今西圭子

「うるさい!さっさと着て!探そう!」

松田明美

「捜索願を出す?私が警察だって!意味ない!」

お姉さまたちは、焦りのあまり出て来る言葉も混乱し始める。


さて、そんなお姉さまたちが押し合うように庭に出ると、華音と雨宮瞳の声が聞こえて来る。


華音

「錫杖もきれいになった」

雨宮瞳

「宝珠もピカピカ」

華音

「ねえ、瞳さん、お地蔵様の足元に花壇を作りたいね」

雨宮瞳

「そうね、何がいいかなあ」

華音

「うーん・・・後でホームセンターに行こうか?」

「うん!いろんな飾りも選ぼうよ!」

・・・・・・


そんな楽しそうな会話が続くので、お姉さまたちは、ホッとするやら様々。

シルビア

「まあ、可愛い青春だこと」

春香

「お子ちゃま二人が、お花畑をねえ、頭の中そのもの」

エレーナは実に悔しい。

「先を越された、ウカツだった」

そのエレーナに松田明美が皮肉。

「エレーナは18歳、華音ちゃんと瞳ちゃんは15歳、動きが違う」

今西圭子は、そのままお地蔵様の前に。

「いつからお地蔵さんを洗っているの?」


華音

「7時ごろかなあ、洗っていたら瞳ちゃんから電話」

「華音君が、とにかく回復できたかなあと思って、そうしたらお地蔵様を洗っているって言ったので、走ってきました」


朝の陽光の中、庭でそんな話をしていると、立花管理人と料理人たちが、大きなテーブルと椅子を並べ始める。


立花管理人は、にっこり。

「サンドイッチを準備いたしました」

「様々です、普通のハム玉子、ツナ、カツサンド、ステーキサンド、ジャムもリンゴ、イチゴ、マーマレイド、キウイ」

「チョコレートクリーム、ラムレーズンのクリーム」


華音も笑う。

「お地蔵様にもお供えして、朝食パーティーにしようよ」

「お地蔵様も喜ぶ」


サンドイッチにつられたのか、お地蔵様の笑顔につられたのかは、よくわからないけれど、全員が素直にテーブルにつき、サンドイッチを様々食べ、和気あいあい状態。


立花管理人は、その時間を利用して花の苗のパンフレットを準備しているようだ。


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