第187話吉祥寺駅炎上テロ?松田明美と華音の呪印が・・・
不穏な情報を耳にした柳生隆は、根津ホテルマンに
「とにかく、会話の内容を聞き取って欲しい」
「少しでも手掛かりが欲しい」
「地名がわかれば対処が可能」
と依頼する。
根津ホテルマンも承知のようで、
「はい、私だけでなく、他のホテルマンにも、聞き取らせています」
と返すけれど、すぐに他のホテルマンから連絡があったのか、答えが返って来た。
そして根津ホテルマンは、声を低くする。
「まず、吉祥寺駅周辺のようです」
「不穏な男たちが肩にかついでいるバッグから、カチャカチャと金属音がしています」
「ヤッパ、オハジキという言葉も出ています」
「そして・・・」
根津ホテルマンの声が震えた。
「全員、油の匂いが強い」
「措置完了との話も」
柳生隆は、その危険性の大きさを悟った。
「吉祥寺駅でのテロかもしれない」
「可能性としては、旧国鉄系の反社会的組織を使い、駅のポイントになる場所に、油などを撒く」
「おそらく駅の炎上テロ」
「それで駅構内は、大混乱及び、負傷者、あるいは死人まで出る」
「中央線と井の頭線は、大混乱は当然」
根津ホテルマンの声が、また低い。
「彼らの目的は?」
「大量無差別殺人につながりかねない」
柳生隆
「篠山組の壊滅、その上部の反社会的団体の窮地、それを保護してきた野党の大物政治家を追い込んだことへの、当局への警告」
「あるいは腹いせ、報復」
「駅の大混乱に乗じて、警察当局への攻撃までしかける」
「そのための刀剣類と銃器類」
根津ホテルマンの声が重い。
「・・・となると・・・対処は?」
根津ホテルマンの声には、絶望が混じる。
柳生隆も、低い声になった。
「すぐに柳生事務所を通じて吉祥寺駅に連絡」
「警視庁、機動隊も動員させる」
「まずは、撒いた油に点火させないこと」
「そして・・・」
柳生隆は、ここで一呼吸。
「ここは、松田明美と華音のコラボに期待するしかない」
柳生隆の不思議な言葉を聞いた根津ホテルマンは、ククッと笑う。
さて、大風呂で会議をしていた華音たちに、お屋敷の館内放送だろうか、大風呂の天井から、立花管理人の声が降って来た。
「華音様、松田明美様、御会議中のところ、誠に申し訳ございません」
「ただいま、柳生事務所の隆様から、ご連絡がございました」
「吉祥寺駅で炎上テロ発生の可能性が大きいとのこと」
その声で、華音と松田明美は、即座、同時に立ち上がった。
松田明美の顔が厳しい。
「炎上テロ?ふざけんじゃないよ!」
「どうせ、腹いせだろ?」
「この弁天様をなめた真似しやがって!」
その松田明美の美しい胸に、弁財天の呪印が、くっきりと浮き上がる。
そして華音の胸の薬師如来の呪印、お尻の毘沙門天の呪印も、真っ赤に変化している。
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