第152話華音は今西圭子とシルビアと春香と雑魚寝生活になるようだ。

「それでね、華音ちゃん」

ほぼ身動きができない華音の耳に、今西圭子が甘えたような声。

華音は、シルビアの裸の胸から、少しだけ顔を離そうとするけれど、シルビアはそれを許さない。

より強く両手で華音の顔を、自分の豊かな胸に押し込める。


今西圭子は、甘えた声を続ける。

「私、このお屋敷に住みたい」

「できれば、華音ちゃんと同じ洋館がいい」

「一緒の部屋でもいいよ」

「女性教育してあげる、したいなあ」


しかし、今西圭子の「甘いお願い」は、即座にシルビアと春香が反発する。

シルビア

「ダメです、混乱要因になるだけです」

春香

「私たちが華音の女性教育をしますので、邪魔しないでください」


今西圭子は、そんなシルビアと春香の反発などは、気にしない。

華音に再び声をかける。

「ねえ、華音ちゃん、いいでしょ?」

「立花さんもね、そのほうが安心できるって言っていたしさあ・・・」

「奈良のお父さんとお母さんも、別に華音ちゃんがよければって」


シルビアと春香は、「うっ・・・」と顔を見合わせた。

シルビア

「さすが、今西圭子・・・立花さんと華音の親を説得済みか」

春香

「そうなると条件闘争になるな」

シルビア

「私たちが洋館で華音と住む」

春香

「今さら、身体見られても恥ずかしくないし」

シルビア

「いや、私は見せつける、今西圭子には負けてない」

春香

「いや、私だって成長した、ピンと上を向いている」

・・・よくわからない発言もあるけれど、シルビアと春香は、今西圭子の同居は仕方が無いと思ったようだ。

後は、華音の住む洋館なのか、和風お屋敷になるのかになる。


シルビアが華音に、促した。

「ねえ、早く決めて、引っ越しの準備もあるんだから」

「少しだけ、離してあげる」


ようやく華音は、シルビアの胸から、「数センチ」解放された。

華音は、ゼイゼイしている。

それでも、必死に声を出す。

しかし、出て来た言葉は文句だった。


「どっちも嫌」

「僕一人で洋館に住む」

「だいたいさ、食事は仕方ないけど、お風呂からベッドまで、ずっと一緒って、どういうこと?」

「忙しい学生生活の一日が終わり、やっと一息のお風呂とベッドまで、どうしていろいろと指示をされるの?」

「それにね、どうしていつも裸?」

・・・・・


いろいろと、文句を続けるけれど、今西圭子とシルビア、春香は途中から何も聞いていない。

今西圭子

「いいよ、大きなベッドにして、毎日雑魚寝で」

シルビア

「仕方ないよね、抱き枕は共有で」

春香

「私たちが抱えていないと、柳生事務所のあのお姉さんたちが危険」

今西圭子

「うん、特に松田さんと小島さんでしょ?20代後半で、若い子好み」

・・・・・


華音の意向など、全く無視した話し合いが続けられている。

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