第151話華音争奪戦と結末?

その華音の指が止まったのは、シルビアの声が原因。

「こら!華音!遊ばない!」

春香は、華音を今西圭子から、引きはがす。


華音は、引きはがされて、キョトン顔。

「あ・・・ついつい、面白い模様だったんで」

と言うけれど、まだじっと呪印の模様を眺めている。


しかし、今西圭子は、不満タラタラ顔。

「もーーー!」

「気持ちよかったのに!」

「シルビアちゃんも、春香ちゃんも、メチャお邪魔虫!」

そう言いながら、華音の手を取り、また自分の胸に導こうとする。


すると、シルビアが今西圭子に怒った。

「圭子さん!何を考えているんですか!」

「華音の指で、朝から感じてどうするんですか!」


春香もシルビアに続く。

「いいですか?圭子さんは、私たちの楽しみを奪って、華音をムギュして寝たんです」

「その上、華音の指で遊ぶなんて、何事ですか?」


ただ、今西圭子も。シルビアや春香よりも、大人にして「タダモノ」ではない。

シルビアや春香など、「完全小娘」と思っているのだろうか、まるで相手にしない。

華音の手のひらを、またペタンと自分の胸につけて、グッとめり込ませてしまう。


「はぁーーー・・・スッとする」

「いい感じやなあ・・・」

「御仏のお手々やろか」


・・・いつの間にか、さすが奈良育ち、関西弁になっている。


シルビアと春香は、あまりの「スルーされ感」に、顔を見合わせて困惑。

シルビア

「マジ?大人ぶって気に入らない」

春香

「でも、華音も華音、なされるがまま」

シルビア

「さすが女にはアホの華音だ」

春香

「女性の胸を、肉のかたまりとしか思っていないのでは?」

シルビア

「そうなると私たちの胸も?」

春香

「う・・・胸肉扱い?」

シルビア

「でもさ、華音の顔をムギュしていると、いい気持になるよ、私は」

春香

「それは同じ、でも、華音は生意気にも、それを逃げようとするから、怒る」


シルビアは、華音の手をペタンさせ、うっとりとしている今西圭子のをじっと見る。

「マジ・・・気持ちよさそう」

春香

「顔が、輝いてくる感じ」

シルビア

「さすがアフロディーテ・・・確かに美しさを増したような」

春香

「私もペタンさせるかな、もう一本の手で」

シルビア

「うーん・・・じゃあ、私は華音の顔をムギュする」


そんな相談がまとまり、華音は、どうにも抵抗は難しかった。

下手な抵抗をしても、怒られるのが、決まっていると悟った。

結局、右手は今西圭子の胸、顔はシルビアの胸、左手は春香の胸につけられることになった。


華音は思った。

「今朝だけは我慢しよう、下手に拒絶しても、口ではかなわない」

「でも・・・手にしろ、顔にしろ、呪印に触れているので、メチャ熱いし、暑い」

「できれば、今朝だけにしてほしい」

「この体勢、けっこう苦しい」

ただ、その要望の実現可能性は、華音自身、かなりな不安を感じている。

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