第3話 05
オリヴァーは、毎日仕事に行く前に、必ずコーヒーを飲む。
「いつも、同じ銘柄のコーヒーばかり飲んでて、飽きないのか?」
とマルコムは、同僚のオリヴァーに言った。
「これが一番美味いんだよ」と少し笑いながら、言い、コーヒーを飲んだ。
飲み終えると、オリヴァーは、ロボットを整備する、区画に向かう。
彼の仕事は、ロボットを整備することだ。
簡単に仕事の説明すると、毎日午後8:00に明日整備を担当する、ロボットの情報が2~3件程度、支給されたタブレットに送られてくる。
ロボットの情報というのは、製造年月日や製造された会社名、シリアル番号などの情報が載っている。
整備区画で行う仕事は、ロボットに取り付けてある装甲を外し、その下にある配線に傷がないかを目視で確認したり、軍で管理されている、パソコンをロボットに繋いで、全身をスキャンし、内部に異常がないかを確認する。
この一連の作業を軍では、ロボットの定期健診と呼んでいる。
そして、もし、異常が見つかった場合は、起こっている場所を確認、それについての調査報告書を作成し、それを上官に提出する。
そして後日、異常が見つかった場所の修理を行う。
と言うのがオリヴァー・レイノルズの仕事だ。
オリヴァーは、今日も昨日と同じように、仕事をこなす。毎日必死に仕事をこなすわけではなく、無難に仕事をこなしていく。
(ふぅ、次で最後の機体か。)
オリヴァーは、支給されたタブレットに昨日送られてきた、ロボットの情報を流し読みする。
製造会社 softsoul
製造年月日 2052年 10月15日
型式 WKF-1823
シリアル番号 188272992019
整備箇所
定期健診
(定期健診か。なら今日は早く帰れそうだ。)
10分後、機体が到着、オリヴァーはさっさと仕事を済ませようと手際よく仕事をこなす。
全身の装甲を外し、目視で配線を確認しようとする時、ロボットが急に動き出した。
(えっ、急になん)
ゴッと鈍い音が響く、オリヴァーはロボットに頭を殴られ床にたたきつけられた。即死だった。
ロボットのWKF-1823は、オリヴァーの死体に馬乗りになり、頭、腕、胸に向かって拳を振り下ろす。
ゴッ、ゴッ、ゴッと鈍い音が鳴る。
「おい!何をやってる!」
とその日そこで作業していた整備士のウォルター・シュワルツが怒鳴る。
その声に反応したWKF機体は、ウォルター・シュワルツに向かって走る。
WKF機体は、ウォルター・シュワルツの胸部殴り、4~5m吹き飛ばした。
偶然そこに居合わせた、下士官のジミー・エルマントラウトは、建物内の柱の陰に身を隠し、自分の管轄にいたロボットのUHY-2364機体2機を整備区画に呼んだ。
呼んだロボット2機が到着するまで、ジミーは、WKF機体がとる異常な行動を観察した。
WKF機体は、全身が血にまみれていて、両手には、何らかの肉片が付いていた。整備区画にある設備を破壊し、暴れまわっている。
ジミーが読んだ機体が到着し、取り押さえられた。だが、それでもなお、暴れるのでジミーは、露出していた配線に向かって銃を撃つ。左手、右手、右足、左足の順に計4発の弾丸を撃った。
WKF機体は、動かなくなった。
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