第2話 今度こそ華のある人生を...

さて、この夫婦を落ち着かせたところで一度状況確認をしたい。

とりあえず外に出てみようかな...


「お父さん、外に出かけてくるね!」


「気を付けなはれ。夕方までには帰宅してね。」


よし、外に出よう。...え?

メディアが見たものはメディアの想像を絶するものだった。


「この色合いというか街並み...いや、村だから村並?どうでもいいけどラブファンタジアの世界とそっくりじゃん。」


とりあえず、もっと大きな街いやラブファンタジアならメインとなる王都へと行ってみないと確信が持てない

どうしよう。今の私の体つきから言えばせいぜい5歳から6歳といったところだろう。


「とりあえず、村を一回りしてみましょう。」


ん?誰か私の名前を呼んで走ってくる人がいる?


「メ-------ディア-------!」


あっあれは...

「誰だ?」


「えー!僕のこと忘れちまったのかい?ひどいなあ...僕だよ僕!」


「あの、オレオレ詐欺は間に合ってますので....」


「違うよ!ていうかオレオレ詐欺ってなんだよ。おかしなことを言うなあ。詐欺は禁忌書で固く禁じられているではないか!

って話がずれた。僕はユリーシェ!君の幼馴染だろ?」


「あはは...私どうやら転んでからあんまり記憶が飛んでいるみたい。ユリーシェね!どうしたの?」


「ゆっユリーシェって呼ぶんて...君は僕のこと犬って呼んでいたのに...」


なにそれ、まるで私悪役みたいじゃない。


「あら、そうだったの?ごめんなさい。これからはユリーシェって呼んでもいいかしら...」


「えっもちろんいいよ。それよりもう体の具合は大丈夫なの?」


「ええ、平気よ。それよりユリーシェ、私この村のことや禁忌書、王都についてもあんまり覚えていないみたい。教えてくださる?」


「もちろん!それは構わないけど、王都について知りたいなんて生まれ変わったメディアは変わり者だね。」


「なぜそう思うの?」


「だってこの村は王都から一番遠いし一番被害を受けている村だよ?納税も他に比べて高いし、奴隷商人が毎晩人さらいに来る。この村は平和そうに見えて実はとても危ない村なんだよ。だから、この村はアリーダ村という名前なのにデンジャラスランドと勝手に噂されているんだ。また、仕事で王都にいってこの村出身とばれてみろ。笑いものにされたりのけ者、雑用として扱われるんだ。だからこの村のみんなは王都に恨みしかないし興味もわかない。でも!僕は違う。僕は大きくなったら王都、いやお城で働いてこの差別をなくすんだって決めたんだ。みんなからは馬鹿にされてるんだけど僕はめげない。絶対にこの国を変えてやるんだって。」


「素敵な夢ね。私も王都に行きたいわ。」


「なら、メディアも一緒に行こう!そして一緒にこの国を変えるんだ!」


「いいわね!その話のるわ!」

そうすれば少なくともパッとしない人生から脱出できる。


「そうだ、禁忌書についても話さないとね。と言いたいところだけどもう夜が来そうだ。早く帰ろう。」


その時だった。遠くのほうから男たちの声がした。


「奴隷商人だ!早く家に帰らないと連れていかれてしまう!メディア!早く!」


「ええ!」


二人は走り出した。男たちもこちらに気付いたのか追いかけてくる。


「待て!」


「二人もガキがいるよ。こりゃあ儲かるぜ。」


怖い。それだけが二人の頭を支配していた。


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