あるあるその3 どん底味わい過ぎ
ビジネス書ではほぼ必ず「どん底を味わったお話」が書かれています。例え「作者が実家が太い天才」だったとしても、です。
本当は「実家が太い天才」だったとしても、とにかく悩みまくってどん底を味わいます。
契約が取れなくて公園のベンチに一日中頭を抱えてボロボロ泣きながら過ごすのはまだまだ序の口で、新卒で入った会社では落ちこぼれの役立たずの給料泥棒で上司からぶっ飛ばされる。とか、
(ちなみに就職活動を経て入った新人時代は落ちこぼれだったって言う話もこの手の本はものすごく大好きです)
他にも飛び込み営業をして営業妨害だと言われて警察を呼ばれたとか、
さらにはガスが止められて冷たいシャワーを浴びただの、水道を止められて公園の水で過ごしただの、とここぞとばかりに、別に欲しいと言ってないのにどん底体験のバーゲンセール状態ですがこれにも訳があります。
何故なら「どん底からの一発逆転ストーリー」というのは時代を問わず受ける「面白く」て「楽しい」お話だからです。
時代によってテクノロジーの違いはあれど、人間は基本的に原始時代から根本的な部分は変わってないので、欲しがるものは時代を通じて基本変わりません。
受けるパターンというのは決まっていてそのストーリーラインに乗せるだけで下手に自己流でやるよりも良い物は出来上がります。
実際100年以上も昔のお話である童話のシンデレラも、みにくいあひるの子も、基本的な部分は「どん底からの一発逆転ストーリー」なのです。
これら「どん底からの一発逆転ストーリー」というのはガッチガチの定番ですが「面白く」て「楽しい」ので非常に「受ける」ストーリーなのです。
100年前の昔も受けていたし今でも受ける、そして間違いなく100年後でも受けます。断言します。
今ではWEB小説ですっかりメジャーになった異世界転生も、「勇者パーティをクビになった主人公が別の分野で成功してパーティーメンバーを見返す」という構成のお話もその一つと言っていいでしょう。
逆に力もカネも持った人間がそれを使ってとんとん拍子に成功していくお話というのは一般的にはつまらなくて、受けません。
カネも力もある人間がとんとん拍子にうまくいくお話というのは見ててもつまらないし金持ちのイヤミに聞こえてくるからです。
「99%の普通の人」からすればそういう話は日常生活に接点が無く、退屈で面白くも楽しくもありません。
後は「ここまで劣悪な環境でも成功できたのだからもっと恵まれた環境のあなたに出来ないはずがない!」と言いたいがためというのもあるでしょう。
そのためどん底ストーリーはこの手のビジネス書には必ずあるでしょう。例え作者が「実家が太い天才」だったとしてもです。それを前面に押し出すとイヤミになって受けないからです。
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