コラム1 階層の分断に気付いていない
正直、このエッセイは「宮廷道化師が主を面白おかしく馬鹿にする」ようなお話なので実入りの無い話が続きますが、
それだけではせっかくこれを見ているあなたに申し訳ないので少しは役に立つ内容をコラムとして挟んでおきます。
ビジネス書を読んでもなぜ成功できないか?
こんなタイトルで読者候補を引っ張る本もあるかと思いますが個人的には「階層の分断」という理由で解決できると思います。
正直、金持ちと一般人の間では「階層の分断」があって「同じ景色でも見えている物の色や形が全く違う」という事がごく当たり前に起きているのでしょう。
どういう事かと言いますと、例えば「失敗を恐れるな」って成功者は言いますけど、その成功者というのは大抵親が金持ちで実家が太かったり、幼少のころからのエリート教育で成功者により近い立ち位置にいたり、凡人からすればすでにある程度成功していて、金も地位も持っているというのがほとんどです。
「失敗を恐れるな」と書いた本は「成功」から「超絶大成功」したおかげで出版された本で「ある程度成功している状態」がスタート地点な場合だってあります。ある程度成功しているからこそ失敗しても次があるのです。
他にも「失敗したら女房に働いてもらって自分は主夫でもやればいいか」とか「この10億の案件が潰れても友人の部下になって月給200万のサラリーマンでもやればいいか」なんていう「安全策」をとれる程「余裕がある」というのもあるでしょう。
本当の意味での凡人は失敗=死です。常に成功し続けないと、ほんの1つのミスでもしたら即、死にます。
失敗したら即首つりです。もしくは練炭です。あるいは塩素ガスです。
金持ちがこんな考えに至らない、至りようがない、そんな発想が思いつかないというのもおそらく「階層の分断」があるからでしょう。そもそもの大前提として見えている世界、あるいは常識があまりにも違い過ぎるのです。
中世時代のヨーロッパで例えるなら、領主様が農奴に「病気になったら医者に見てもらえ。それくらいの金はあるだろ」って言うのと一緒で領主と農奴、現代で言う金持ちと貧乏人では住んでいる世界、見えている世界があまりにも違いすぎてすれ違いが起こっているのです。
おそらくもっともうなづけるであろう階層分断の具体的な例は仕事への姿勢でしょう。
金持ちにとっての仕事は楽しいものだけど、凡人にとっての仕事は苦しいものだ。というのが多分一番わかりやすい階層の分断だと思います。
そもそも仕事と言っても会社全体、さらには会社周辺の経済圏を見るか、会社の極々一部しか見ない、見ることが出来ない、見る必要が無い、という違いもありますがここでも「仕事が楽しい人」と「仕事が苦しい人」は前提条件が違い過ぎて相互理解が出来ずにいます。
他にも例えば「遊び」というと「酒、バクチ、女」しか出てこない人と「パーティー、あるいはクラシックやジャズの演奏会」が出てくる人とでは見えている世界が全く違うでしょう。
お酒を飲む目的が「酔っぱらって苦しい事を忘れるため」という人と「友人と最高の時間を過ごすため」という人でもいいです。
お互いの常識があまりにもかけ離れすぎるため言葉がすれ違いを起こしまくって、同じ日本人で同じ日本語を使っているにも関わらず会話が成立しない。これこそが「社会の階層化」あるいは「階層の分断」と呼ばれるものです。
本人達にとっては「そんなの当たり前でしょ? 誰だってそうでしょ?」っていう位当たり前の常識が通じない。そんな社会に既になっているでしょう。
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