祝福

 おはよう。まだ見ぬ君へ。


 君はこの世の眩しさに、そして悲しさに耐えきれず、声を上げて泣き出すだろう。

 そうして漏れ出す泣き声は、多くの祝福を受ける。


 祝福は必ずしも君のためではなく、周囲の幸せのためのものかもしれない。

 むしろ君にとっては、呪いのように感じられるかもしれない。


 ハッピーバースデー。


 君はこの美しくも愚かな世界に生まれ落ちた。

 これから先、君は多くの試練に行く手を阻まれることになるだろう。

 あまりの辛さに、投げ出したくなることもあるだろう。


 耐えきれなくなったら、投げ出してもいい。

 でも、どうか──


 どうか、最後の一瞬まで。




 君の旅路に幸あらんことを。

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閑話 すずらん。 @tamahachi

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