腹痛
「次の方どうぞ」
名前を呼ぶと扉が開いた。男性だった。
「よろしくお願いします」
「今日はどうされました」
「今朝からお腹が痛くて」
「腹痛だけですか」
「ええはいそうですね」
「何かありますか痛みの心当たりとかは」
「あの実はうちの妹と祖母がですね三日前からやっぱり同じように腹痛で苦しんでたんですけれど」
「ご家族もですか。何か同じもの食べたりされましたか」
「食あたりってことですか」
「かもしれないですね」
「あの、妹と祖母はそういえば鶏を食べてました」
「鶏肉ですと加熱の十分でなかったり季節柄日の経ったものとかはつまり病原性の菌がいる状態なわけですから食中毒大いに考えられますね」
「食べたものの持っていた菌が体に入って苦しいわけですか」
「そうですね」
「じゃあそれだと思います」
「あなたも食べたんですね」
「何ですか?」
「鶏です」
「鶏は私は。食べたのは妹と祖母です」
「じゃあ違うんじゃないですか。何かありますか他に」
「二人が食べていた同じものですか?」
「あなたたち三人が食べたものです」
「ご飯とかなら」
「毎日食べるものである日急にということは」
「あっ二人はそういえば庭に生えてたという変なきのこを図鑑で調べて食べてました」
「きのこ」
「それも三日前ですっ」
「あなたも今朝そのきのこを?」
「私は食べてませんよ。妹と祖母だけです」
「じゃあ違うでしょ」
「じゃやっぱ鶏ですか」
「それはないだろうよねとさっき私いいましたよね」
「いやでも確かに二人は鶏食べてましたよ」
「だからあなたは今朝その鶏食べたんですか?」
「だから私は食べてませんって何度いわすんですか」
「じゃああなた今朝一体何食べたんです」
「妹と祖母です」
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