もっとガンガン攻めてきなさい
今、あたしは、ホテルの密室のなかに、ミノルとふたりでいる。
なんか、、、
はずみで来ちゃったけど、、
まぁ、、、
いっか。
ムシャクシャしてたし。。。
しゃれた淡いピンクの部屋の真ん中に置かれた、大きなベッドのヘリに、わたしはペタンと座り込んだ。
壁や枕元のダウンライトの明かりが、仄かなムードを
「こっちに座ってよ」
どうしていいかわからない様子で、ベッドの横に突っ立ってるミノルに、あたしは隣を指さしながら言った。
なんだかもどかしい。
あたしのこと好きなら。
ほしいなら。
もっとガンガン攻めてきなさいよ!
遠慮がちに、ミノルはあたしの隣に座った。
その瞬間、ふかふかのスプリングでからだが沈み、思わず肩が触れ合う。
ミノルは顔を真っ赤にして、あさっての方向に顔を向けた。
ドクンドクンと、心臓の高鳴りがこっちにまで聞こえてきそう。
なんか、、、
可愛いじゃん♪
いかにも『女慣れしてます』っていうヨシキを見てきたせいか、こういうウブな反応って、案外新鮮でいいかも。
構ってあげたいような…
わざとらしくミノルの顔をのぞき込みながら、あたしは訊いた。
「ミノルくん。あたしの事、キライ?」
「きっ、嫌いなわけないけど、、、」
「じゃあ、、、 しよ♪」
あたしの言葉に、ミノルはおずおずと両手を腰に回してきた。
ぎこちない手つき。
興奮で、鼻息が荒くなっていくのがわかる。
ドーテーくんにいきなりわたしの巨乳は、刺激が強過ぎるわよね。
遠慮がちに抱きしめていたミノルだったが、突然限界に達したように、押し倒してきた。
「あんっ。ミノルくん。せっかちね」
軽くたしなめるあたしの甘い声は、逆にミノルを興奮させたみたいだった。
あたしに覆いかぶさっていたミノルは、無骨に唇を重ねてきた。
「んぐ、ぅんんん…」
ヘタクソなキスに息が苦しくなって、もがく。
そんなあたしに構わず、キスもそこそこにミノルは全身に唇を這わせ、ブラウスのボタンをはずすと、天井に向かって突き出したふたつの大きなふくらみを、欲望のおもむくままに揉みしだく。
まるで飢えた野良犬ね。
だけど、おっぱいに顔を埋めて恍惚としてる姿は、意外と可愛いかも。
「あん。はうっ、、」
思わず甘い声が漏れる。
男の本能がそうさせるのか、童貞のくせに、ミノルはあたしの敏感な部分を探り当て、どんどん攻め込んでくる。
「もうっ。慌てないでよ。もっとゆっくりと、、、 はんっ」
そう諌めたものの、快感には勝てない。
ちょっとした刺激で、思わず声をあげてしまう。
あたしのよがり声に興奮してきたのか、ミノルはさらに息を荒げ、ベロベロとおっぱいを舐め回す。
唾液がまとわりついて、なんか気持ち悪い。
感じないわけなないんだけど、いまいち気分が盛り上がらない。
余計なとこに気が散っちゃって、エッチに集中できない。
「ダメっ!」
指先がショーツのなかに滑り込んできて、ヘアに触れた瞬間、あたしはキツく脚を閉じ、ミノルの腕を掴んで叫んだ。
やっぱりヤだ!
ガマンできるかなとも思ったけど、やっぱダメ。
ミノルの鼻息の荒いとことか、口臭とか、タラタラ流れてくる額の脂汗とか、生理的に無理っ。
こんなキモデブサヲタに、あたしの大事な部分を弄られるなんて。
このまま流されてエッチしたら、あとできっと後悔する。
だいたいあたしは、ヨシキに仕返しするためにミノルとデートしてるんだ。
ミノルもヨシキと同類。
あんな人でなしのヨシキと、親しくしてるのが悪い。
ミノルに屈辱を与えるのは、ヨシキに与えてるのと同じこと。
恨むならヨシキを恨みなさいよ。
「えっ? ど、どうして?」
さらに鼻息を荒げて、ミノルはあたしを見た。
なので、適当な言い訳をする。
「だって、、、 そこ、洗ってないもん」
「ぼっ、ぼくは構わないよ」
「あたしは恥ずかしいのっ」
そう言ってあたしは、バネのように勢いよくからだを起こして、スカートを押さえた。
おあずけを喰らったような恨めし気な眼差しで、ミノルはあたしを見上げる。
ここでキレられたら、元も子もないし、、、
なんとかうまいこと、逃げる手を考えなきゃ。
つづく
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